タイ人の夫と結婚して、タイ東北部のブリーラムという街で暮らしているムーランです。
以前は二人で台湾に住んでいたのですが、夫の帰国をきっかけに、タイへ移住しました。
その時に、人生で初めて「配偶者ビザ(Oビザ)」の申請を経験しました。

「タイで、大切な人と本当に一緒に暮らしたい」
そんな想いから、私のビザの旅は始まりました。
その夢を現実にしてくれるのが、タイの配偶者ビザ(Oビザ)です。
このビザがあれば、長くタイに滞在できて、毎回観光ビザを取り直す必要もありません。
安心して生活を続けられるのです。

でも、いざ申請しようと思うと…
「何から始めればいいの?」
「書類ってどこでもらうの?」
「面接があるって本当?」
そんな疑問が次々と出てきますよね。
私もまさにそうでした。

この記事では、配偶者ビザの取得条件・必要書類・申請の流れ・更新の仕方、そして就労のルールまで、ご紹介します。


タイの配偶者ビザ(Oビザ)とは

タイの配偶者ビザについて検索すると、
「Non-Immigrant O」ビザ
という名前を見かけることになると思います。

この「O」は、 Other(その他)という意味で、観光・就労・留学などのような明確なカテゴリーには入らない、「その他の非移民目的」で滞在する人のためのビザです。

Non-Immigrant Visa(非移民目的のビザ)の種類

実はこのNon-Immigrant Visa(非移民目的のビザ)には、色々な種類があるんです。

Non-Immigrant Visa の分類例

ビザの種類記号主な目的
Non-Immigrant BBusiness仕事・ビジネス
Non-Immigrant EDEducation留学・学校・語学
Non-Immigrant OOther配偶者・家族・ボランティアなど
Non-Immigrant O-AOther – Long Stay退職者(50歳以上)
Non-Immigrant O-XOther – Long Stay (10年)長期滞在者向け(日本など特定国籍)
Non-Immigrant MMedia報道関係
Non-Immigrant RReligion宗教関係者

そしてNon-Immigrant O は「その他」に含まれる中でも、特に以下のような目的の人に使われます。

  • タイ人配偶者と結婚している(結婚ビザ)
  • タイに住む家族と同居する(家族ビザ)
  • ボランティア活動を行う
  • 年金生活などで長期滞在(O-A, O-Xに派生)

つまり配偶者ビザ(結婚ビザ)は、Non-Immigrant O ビザのひとつのカテゴリで、タイ人と正式に結婚している外国人が、タイで長期滞在するためのビザなんです。

このビザを持っていると、最初に90日間の滞在が許可され、その後1年ごとの延長ができます。
つまり、タイで落ち着いて暮らしたい人には欠かせないビザなんです。

このビザのポイントを簡単にまとめると…

  • タイ人の配偶者がいれば申請できる
  • 最初は90日、以後は1年ごとの更新が可能
  • 就労にはワークパーミット(労働許可証)が必要
  • 日本人男性の場合は一定の預金残高が必要(40万バーツ以上)

結婚して「さあ、タイで一緒に住もう!」と思っても、ビザの条件を満たしていないと滞在を続けることはできません。
でも、きちんと準備すれば、難しい手続きではありませんよ。

タイでOビザを取得する日本人の主な目的

Oビザを申請する日本人には、いくつかのパターンがあります。
私の周囲でも、目的によって少しずつ違っていました。

  1. タイ人の配偶者と一緒に生活するため
     結婚後、家族と同居するために取得するケースが最も多いです。
     タイは家族中心の文化なので、配偶者と安定して暮らすための在留資格はとても重要です。
     このビザを取ってから、銀行口座開設や賃貸契約などもスムーズに進むようになりました。
  2. タイで仕事をするため
     Oビザは労働許可証を取得すれば、現地企業や自営業での就労が可能です。
     特に、タイ語や日本語を活かした仕事を見つける人が多いですね。
     
  3. リタイアメントビザが取れない場合の代替として
     50歳未満や、預金額の条件を満たしていない人にとっても、Oビザは現実的な選択肢になります。
     配偶者がタイ人なら、このビザで合法的に長期滞在できるのは本当にありがたいです。

結婚を機にタイで暮らすようになると、
「観光で来るのとは全然違う」
と実感します。
毎日の生活、銀行、保険、仕事、どれもビザの有無で自由度がまったく変わります。
Oビザは、家族と暮らす安心と、働く自由の両方を手に入れられるビザ
です。

実際に私もこのビザを取得してから、ようやく「タイに根を下ろして暮らしている」と感じられるようになりました。
観光や短期滞在では見えなかったタイの日常が、自分の生活の一部になっていく、そんな感覚です。


タイ配偶者ビザ(Oビザ)の取得条件

結婚証明の条件(日本とタイの婚姻手続き)

まず最初に押さえておきたいのは、
正式にタイ人と結婚していること
です。
これはOビザ取得のいちばん大切な条件です。
「結婚予定」や「同棲中」では残念ながら対象外なんです。

私も最初、「結婚証明ってどうやって両国で通用させるの?」と戸惑いました。
でも、一度流れを理解してしまえば、意外とスムーズに進められます。

日本で先に結婚した場合

  1. 日本の市役所で婚姻届を提出
  2. 「婚姻届受理証明書」または「戸籍謄本」を取得
  3. それをタイ語に翻訳し、タイ外務省で認証を受ける
  4. 最後に、タイの郡役場(アムプー)で婚姻登録を行う

タイで先に結婚した場合

  1. タイの郡役場(Amphur)で婚姻手続き
  2. 「結婚証明書(Kor Ror.2)」と「婚姻登録証(Kor Ror.3)」を受け取る
  3. これを日本語に翻訳して、日本大使館で認証
  4. 日本の市役所に提出し、戸籍にも反映させる

要するに、日本とタイの両方で結婚が法的に有効になっていることが条件なんです。

ちょっとした注意点ですが、タイの役所(アムプー)は場所によって必要書類が違うことがあります。
私も「これで大丈夫」と思って行ったら、「もう1枚必要」と言われて出直しにいく羽目になりました。
電話で確認しておくと本当に安心ですよ。


タイ居住要件と経済的条件

次に、日本人の男性限定の条件があります。
Oビザでは、「タイで生活できる経済基盤があること」が求められるんです。

ざっくり言えば、次のどちらかを満たしていればOKです。

  • 月収40,000バーツ以上(約17万円)
  • タイの銀行に400,000バーツ以上(約170万円)を2か月以上預金していること

「2か月以上保持」なので、ぎりぎりで口座にお金を入れたのでは認められません。
また、銀行の残高証明書も発行から7日以内のものが必要です。

また、下記の点も注意してください。

  • 口座は申請者本人名義のタイの銀行口座であること。
  • 月収の場合は、給与明細・会社レター・税申告書などで証明します。

つまり、見せかけの残高ではなく、安定した収入や貯蓄があることを示す必要があります。
これは「タイ人配偶者をきちんと養えるかどうか」を見るためでもあるんですね。


日本人配偶者とタイ人配偶者それぞれの条件

Oビザを申請するのは日本人側ですが、夫婦それぞれに確認される条件があります。
私の経験では、書類だけでなく「生活の実態」まで見られることもありました。

日本人配偶者(申請者)の条件

  • タイ人との正式な婚姻関係があること
  • 経済的条件を満たしていること(日本人男性限定)
  • 犯罪歴がないこと
  • 有効なパスポートを保持していること
  • 健康状態が良好であること(診断書が必要なことも)

タイ人配偶者の条件

  • タイ国籍であること(身分証とタビアンバーン=戸籍簿)
  • 実際に結婚生活を送っていること(偽装防止)
  • 一緒に暮らしている証拠(家の写真、光熱費の名義など)を求められる場合も

入国管理局の担当官が自宅訪問に来てチェックします。
「偽装結婚ではないか」の確認ですね。
でも普段通りに過ごしていれば、まったく心配いりません。
むしろ「夫婦で笑顔で迎えられたらOK」という雰囲気でした。


ビザ申請前に確認しておくべきポイント

申請前に慌てないために、私自身がチェックしておいてよかったと思う点をまとめました。

  1. 結婚が日本とタイの両方で法的に成立しているか
  2. タイの銀行口座を開設しているか(残高要件に対応できるか)
  3. 共同生活の証拠を用意できるか(写真・公共料金の請求書など)
  4. 最新の必要書類を、申請先(入管や大使館)で確認しているか

特に注意したいのは、「申請条件は県や時期によって微妙に変わる」ことです。
私がブリーラムで申請したときはスムーズでしたが、バンコクでは追加の書類を求められるケースがあると聞きました。

「条件が多いなぁ」と感じるかもしれません。
でも実際にやってみると、流れがわかれば意外とシンプルです。

大事なのはこの2つです。

  • 結婚が正式に認められていること
  • 経済的な基盤があること

この2点をしっかり整えれば、Oビザの取得は決して難しくありません。


タイ配偶者ビザの必要書類一覧

「タイ人の配偶者がいるなら、Oビザを取ればいいよ!」とよく聞きますが、実際に調べ始めると「どこで?どうやって?」と頭が混乱してしまいますよね。

私も最初は同じでした。
「結婚したから自動的にビザがもらえるのかな?」と思っていたら、実際はぜんぜん違っていました。
きちんと必要書類をそろえて申請して、初めて正式に長期滞在が許可されるんです。

方法は大きく分けて2つあります。

日本でOビザを取得してからタイに入国する
タイ国内で観光ビザなどからOビザに切り替える

私はブリーラムに住んでいるので、地元のイミグレーションで申請しました。
日本の大使館へ行くよりも手間が少なく、書類確認や質問にもその場で対応してもらえるので、結果的に早くてスムーズでした。


Oビザ申請に必要な書類リスト(ブリーラムでの実例)

ここからは、実際に私がブリーラムで提出した書類を中心にまとめます。
細かい部分はイミグレーションによって多少違うので、行く前に確認しておくと安心です。


① 申請書(TM.7)

イミグレーションで無料でもらえます。
ネットからダウンロードして印刷してもOKです。
私たちの場合は、夫が先にイミグレーションで確認をしたときに申請書ももらってきてくれたので、家でゆっくり記入して提出できました。


② パスポート(コピー付き)

顔写真ページ、ビザページ、入国スタンプのページなど、数ページ分のコピーを求められます。


③ タイ人配偶者のIDカード

原本とコピーをセットで提出します。

④ タイ人配偶者のタビアンバーン(住民登録証)

これも原本とコピーをセットで提出します。
住所確認のために必要です。

⑤ 結婚証明書(コロート.2

取得できる場所は以下の通りです:

  • 結婚手続きを行った郡役場(アムプー)
  • または、他県でもデータが共有されていれば取得可能

私たちは結婚したのが主人の実家のある郡(ブリーラム市から70km以上離れた場所)だったのですが、ビザ申請時はブリーラム市内に住んでいたので、市内の区役所で再発行してもらえました。
タイの行政ネットワークって、意外と柔軟なんだなと思いました。

⑥ 婚姻登録証明書(コロート.3)

結婚した時にもらう、花模様の紙の証明書です。

⑦ 申請者の銀行残高証明書または収入証明書(日本人男性の場合のみ)

これは多くの場合、日本人男性がタイ人女性と結婚したケースで必要になるものです。
私(日本人女性)の場合は求められませんでした。
申請者の性別や地域によって条件が変わるので、事前に確認しておくのが安心です。

⑧ 夫婦の写真(家の前・室内など)

7枚ほど提出しました。
家の前の住所プレートが写った写真や、家の中での生活の様子が分かる写真などです。

私たちは引っ越して半年ほどだったので、まだ家具も少なく、生活感を出すのに苦労しました。
それでも、イミグレーションの職員さんに「ちょっと物が少ないね」と笑われてしまって…。
ミニマリストの方は、少し“生活感のあるカット”を意識した方がいいかもしれません。

⑨ 家の地図(イミグレーションまでの道順)

以前は「手書きで描く」と書いているブログも多かったのですが、私たちが行ったブリーラムのイミグレーションでは、Googleマップを印刷するように言われました。
手書きが苦手な私たちには、これは本当に助かりました!

⑩ 証明写真(申請書に貼付)

ビザ申請書に貼るための写真です。
今後、1年延長やリエントリーパーミットの申請時にも使うので、多めにプリントしておくのがおすすめです。


ビザの申請手続きは、最初は本当に書類が多くて圧倒されます。
でも、1枚1枚準備していくうちに「ここまで来た!」という達成感が出てきます。

私たちはすべて自分たちで手続きしましたが、代行業者さんを使う人も多いようです。
ただ、自分でやってみるとタイの行政システムや手続きの流れが分かって、思っていた以上に面白かったです。
時間に余裕がある方は、ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。


移民局での提出手順と訪問調査

結婚ビザの手続きは、少し時間がかかりますが、流れを理解しておくと安心です。
ここでは、私がブリーラムのイミグレーションで実際に経験した流れを、できるだけリアルにお伝えします。

STEP1:まずは90日間のNon-Immigrant Oビザを申請

タイに入国したら、最初にこの90日間のビザを申請します。
私の場合、入国が日曜日だったので、翌朝いちばんにブリーラムのイミグレーションへ向かいました。
調べていたときは「ビザの申請はバンコクでしかできない」と書かれている記事が多く、不安でしたが、
実際は自分の住んでいる県のイミグレーションで大丈夫でした。

手続きは思っていたよりもスムーズで、書類さえ揃っていれば特に問題ありません。
私は7月8日に申請し、10日後の7月18日にビザを受け取りました。

STEP2:90日ビザの期限前に、1年延長を申請

このビザの期限が切れる30日前から延長申請ができます。
私のビザは7月17日〜10月14日までだったので、9月16日に再びイミグレーションへ行きました。

提出する書類は初回とほぼ同じですが、申請書(TM.7)と結婚証明書(コロート.2)は不要でした。
家で撮った夫婦の写真は、同じものの再利用はNGとのこと。
そのため、もう一度撮り直して持って行きました。

私たちは写真屋さんでプリントしましたが、イミグレーションではA4の普通紙にコピーされ、元の写真は返してもらえたので、記念として今も大切に保管しています。
もしコストを抑えたいなら、最初からA4用紙に自分でプリントしておくのもおすすめです。
(ただし、県によって扱いが違う場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。)


STEP3:自宅訪問調査

延長申請を終えると、次はイミグレーションの職員による自宅訪問があります。
これは、夫婦が実際に同居しているかを確認するための調査です。

私たちの場合、申請に行った時は「今週末に行きます」と言われていたのですが、2日後の平日夕方に突然電話がかかってきて、「これから行きま〜す!」とのこと。
あわてて近所の証人を呼ぼうとしたのですが、ちょうど買い物やお迎えの時間で不在…。

たまたまその時間、家に遊びに来ていた友達2人に証人をお願いしたのですが、身分証の住所が他県だったため、証人としては認められませんでした。
そこで慌てて、近くに住む別の友人に連絡し、なんとか来てもらいました。

イミグレーションの職員さんはというと、特に焦る様子もなく淡々と対応。
「これがタイのゆるさかなぁ」と少し苦笑してしまいました。

職員さんは夫婦と証人を撮影し、家の中や外の写真を数枚撮ります。
そのカメラマン役がなんと、小学6年生の職員さんの娘さん!
「えっ、そんな重要な調査を?」と思いましたが、
どうやら形式的な確認のようで、10分ほどで終了しました。

私たち夫婦への質問はほとんどなく、主に証人の情報確認だけでした。
逆にこちらから「娘さんはどこの学校?」「もう中学生になるの?」と話しかけ、最後は笑いながら終わったのを覚えています。

証人になってくれた人のIDカードとタビアンバーン(住民登録簿)のコピーが必要ですが、
急な訪問だったので友人はタビアンバーンを持っておらず、翌日にLINEで写真を送って対応しました。

あとで主人と話したのですが、職員がわざと予定より早く来たのは、「偽装結婚かどうか」を見抜くためだったのかもしれませんね。


STEP4:1年のNon-Immigrant Oビザを取得

最後に、延長申請の際に指定された日に再度イミグレーションへ行き、無事に1年間のビザを受け取りました。

私の場合は、初回の90日ビザが7月17日から始まっていたので、翌年の10月14日まで有効のビザが発行されました。

手続きの途中には少し焦ることやハプニングもありましたが、終わってみると「タイらしい思い出」として笑える出来事ばかりです。
今振り返ると、職員さんもみんな穏やかで親切で、
「日本とは違うけど、温かい国だな」
としみじみ感じました。


タイ配偶者ビザ(Oビザ)の延長・更新手続きの方法

最初の配偶者ビザを取ってホッとしたのも束の間、次にやってくるのが延長・更新手続きです。
「また書類をそろえるのか…」と少し気が重くなるかもしれませんが、安心してください。
一度経験すれば流れがつかめて、2回目からはグッと楽になります。

私自身も初回の更新のときは、何度も書類を確認しながら「これで大丈夫かな」と不安でいっぱいでした。
でも、夫と一緒に一つずつ準備していくうちに、なんだか小さな達成感を感じたのを今でも覚えています。
ここでは、そんな経験を踏まえて、タイ配偶者ビザの延長・更新に必要なポイントをわかりやすくお伝えします。


1年延長の条件と更新時期

配偶者ビザ(Oビザ)は、最初に取得した後、毎年1回の延長申請を行う必要があります。
この「延長」とは、いま持っている滞在許可をさらに1年間伸ばす手続きのことです。
つまり、タイでの生活を続けるための“更新チケット”のようなものです。

延長の主な条件は、次の2つです。

  1. 婚姻関係が継続していること
  2. 日本人男性に関しては、一定の経済条件を満たしていること

経済条件については、各地の移民局によって多少異なりますが、一般的には次のどちらかです。

  • タイの銀行口座に40万バーツ以上を、申請の2か月以上前から維持している
  • 月収4万バーツ以上の安定した収入がある

収入証明は給与明細や源泉徴収票で、預金の場合は銀行残高証明書が必要です。

また、申請はビザの期限の30日前から可能です。
「まだ時間あるし」と後回しにしているうちに、あっという間に期限が迫ってしまうこともあります。
私も一度、提出前日にプリンターが壊れて冷や汗をかいたことがありました。
それ以来、1か月前にはすべて整えるようにしています。


更新時に必要な書類

申請は、自分が住んでいるエリアの移民局(Immigration Office)で行います。

必要書類は以下の通りです:

  • 延長申請書(TM.7)
  • パスポート(原本とコピー)
  • タイ人配偶者の身分証明書コピー
  • タビアンバーン(家の登録証)
  • 結婚証明書、婚姻登録証(コーロートー2など)
  • 銀行残高証明または収入証明(日本人男性のみ)
  • 夫婦の写真7枚(家の前・室内など数枚)
  • 家から移民局までの地図
  • 証明写真(申請書に貼る)
  • 証人のIDカードとタビアンバーン(住民登録簿)のコピー
  • 手数料:1,900バーツ(現金で)

書類がそろったら移民局へ持って行きましょう。


ビザ延長申請のコツと注意点

これはブリーラムのような地方のイミグレーションならではかもしれませんが、
実は私、一回目の自宅訪問に来てくださった職員さんとLINEでつながっていました

おかげで、延長申請のときには、必要な写真や自宅の地図をLINEで送るだけでOKだったんです。
なんと、移民局のほうでプリントアウトまでして準備してくれていたんです。
まるで知り合いに頼んでいるような感じで、すごく助かりました。

手続きの途中で「これってどうすればいいんだろう?」と疑問に思うことがあっても、
そのLINEで直接質問できたので、不安がずいぶん減りました。
地方ならではの温かさというか、人と人との距離が近いタイの良さを感じた瞬間でしたね。
もし出来そうだったら、移民局の人とLINE交換をしておくのは、オススメです。


ただ、次回からは気をつけようと思ったこともあります。
それは、移民局での支払いは現金のみだということ。

タイではQRコード決済がすっかり当たり前になっていますが、イミグレーションではQR支払いは受け付けてもらえませんでした。

私たちはそのとき、手持ちの現金が足りず、しかも近くのATMには自分たちの銀行がなくて、結局、一度家に帰ってお金を持ってくる羽目に…。

ほんの少しのことですが、けっこう焦りました。
ですので、これから申請に行かれる方は、
現金をしっかり準備しておくことを強くおすすめします。


配偶者ビザでの就労条件と仕事の許可

タイでの暮らしが少し落ち着いてくると、「せっかく長く住むなら、何か仕事をしたいな」と思う方も多いと思います。
私自身、最初の頃は家のことやビザ手続きで手一杯でしたが、生活に慣れてくると、やっぱり“自分の居場所”が欲しくなりました。

でもここで注意したいのが、
配偶者ビザ(Oビザ)=働ける、ではない
という点です。
Oビザはあくまで「滞在」のためのビザで、実際に仕事をするには
「労働許可証(ワークパーミット)」
が必要になります。

労働許可証の取得が必須

Oビザを持っていても、
労働許可証なしで働くことは法律で禁止
されています。
たとえ「友人の店を少し手伝うだけ」でも、正式な許可がないと罰金や国外退去になる可能性もあります。
タイはこの点がかなり厳しく、外国人が働くには明確なルールがあります。

ただ、心配はいりません。
多くの場合、雇用してくれる会社が申請をサポートしてくれます。
申請には少し時間がかかるものの、しっかり準備しておけば問題なく取得できます。

ちなみに、私の知人(日本人女性)もタイ人のご主人と結婚後、日本語学校で講師として働いています。
最初は書類の多さに戸惑っていましたが、「一度やってみると、次からはもう怖くない!」と言っていました。


タイで日本人が働ける職種・業種の制限

タイには、外国人が就けない職業が法律で定められています。
いわゆる「タイ人の仕事を守るための制限」で、たとえば次のような職種はNGです。

  • 美容師や理容師
  • 屋台や市場での販売
  • 裁縫・木工などの手仕事
  • タクシー運転手

こうして見ると「働ける仕事ってあるの?」と心配になりますが、
実際は日本人が活躍できる仕事もたくさんあります。

たとえば、

  • 日本語教師
  • 観光業(ガイド・ホテル関係)
  • 貿易・通訳・事務職
  • IT・エンジニア系
    など、日本人の言語力や専門性を活かせる分野が多いです。

最近では、リモートワークやオンライン業務をする人も増えています。
私の友人も、配偶者ビザを持ちながら日本の会社と契約して在宅で仕事をしています。
自分のライフスタイルに合った働き方を探せるのも、タイ生活の魅力ですね。


経験者が語るおすすめと注意点

タイで配偶者ビザ(Non-Immigrant Oビザ)を取ると、本当に生活が安定します。
観光ビザのように「あと何日で期限が切れる」と気にする必要がなく、家族と落ち着いて暮らせます。
私自身、このビザを手にしたとき、「やっとここで暮らしていける」と心からホッとしたのを覚えています。

ここでは、実際に手続きを経験した立場から、「取ってよかった」と思ったこと、そして「ここは気をつけたい」と感じた点をお伝えします。


配偶者ビザのおすすめポイント

・長期滞在できて心が安定する

このビザがあれば、1年ごとの更新で長く滞在できます。
短期ビザのように頻繁に出入国を繰り返す必要もなく、「この家で暮らし続けられる」という安心感が生まれました。

ビザランのストレスから解放される

観光ビザのときは、期限が切れるたびに国境を越える「ビザラン」が必要でした。
配偶者ビザになってからは、そうした手間がなくなり、生活リズムがぐっと落ち着きました。

銀行口座が開きやすくなる

このビザを提示すると、銀行での手続きがスムーズになります。
生活費の管理や送金もぐっと便利に。私もこのおかげで、ようやく「生活の基盤ができた」と感じました。

運転免許の取得や更新もスムーズ

タイで車やバイクを運転するなら、配偶者ビザは本当に便利です。
タイの免許証は身分証明書としても使えるので、持っておくと何かと助かります。

何よりも「家族と一緒に安心して暮らせる」

ビザの心配をしなくていい毎日は、想像以上に穏やかです。
「次の更新まであと何日」とカレンダーをにらむ必要がありません。
それだけで、心にゆとりが生まれ、日々の暮らしを楽しめるようになります。


配偶者ビザの注意点

便利な配偶者ビザにも、注意したい点があります。

・90日ごとの住所報告(90日レポート)

3か月に1度、滞在先住所をイミグレーションに報告する必要があります。
オンライン申請も可能ですが、期限を過ぎると罰金が発生します。
私も初回はうっかり忘れかけてヒヤッとしました。リマインダーを設定しておくと安心です。

・年に1回の更新手続き

1年ごとに延長申請が必要です。
書類の内容は初回とほぼ同じですが、役所によって少し違うこともあります。
ブリーラムでは担当の方がとても親切で、わからないことをLINEで聞けたのが本当に助かりました。
田舎の移民局では、こうした温かいやりとりがあるのも嬉しいところです。

・出国時はリエントリーパーミットを忘れずに

せっかく取得したビザも、リエントリーパーミット(Re-entry Permit)を取らずに出国すると無効になります。
私の知人もこれで一度すべてやり直しになってしまいました。

種類は2つあります。

  • シングル(1回出国用):1,000バーツ
  • マルチプル(何度でも出国可):3,800バーツ

旅行が好きな私は、いつもマルチプルを選んでいます。
「また帰ってこられる」と思えるのは、気持ちの上でも安心です。


ビザ切れ(オーバーステイ)に要注意

ビザ期限を過ぎると、1日あたり500バーツの罰金がかかります。
長期になると再入国禁止にもなりかねません。

私はスマホのカレンダーに「更新まであと30日」という通知を入れています。
こうしておくと、うっかりを防げて安心です。
また、パスポートの残りページが少ない場合は更新できないこともあるので、早めにチェックしておくといいですよ。


配偶者ビザの手続きは、正直、書類も多くて少し骨が折れます。
でも、一つずつ揃えていくうちに、「ああ、本当にここで暮らしていくんだな」と実感が湧いてきます。

焦らず、夫婦で協力しながら進めれば大丈夫。
困ったときは、移民局の担当の方も意外と親身になってくれます。
タイでの新しい生活を、どうか前向きに楽しんでくださいね。


まとめ

タイの配偶者ビザ(Oビザ)は、ただの滞在許可証ではありません。
それは、「タイで大切な人と生きていく」という決意を形にするための第一歩です。

初めての申請は、正直に言えば少し大変です。
書類を集めたり、役所を回ったり、時には想定外の出来事も起こります。
でも、その一つひとつの過程を乗り越えるたびに、タイでの暮らしが少しずつ“自分のもの”になっていくのを感じました。

配偶者ビザを手にした瞬間、ようやく「観光客」ではなく「この国に住む一人」としてのスタートラインに立てます。
そこから見える景色は、旅行では決して味わえない、日常の温かさと人々の優しさに満ちています。

タイでの生活は、時にゆるやかで、時に想定外。
でも、それも含めて“タイらしさ”です。
焦らず、笑いながら、夫婦で力を合わせて少しずつ慣れていけば大丈夫です。

Oビザの申請は、確かに書類が多くて複雑に見えるかもしれません。
けれども、その手続きの先には、安心して暮らせる未来があります。
そして、ビザを通して学ぶのは「制度」だけではなく、「支え合って生きる」という夫婦の絆そのものなのだと思います。

タイで愛する人と共に生きる。
その夢を現実にしてくれるのが、配偶者ビザ(Oビザ)なのです。