タイ東北部のブリーラムという町で、タイ人の夫と暮らしているムーランです。
結婚当初は、思っていた以上に手続きが多くて正直戸惑いました。
「好きな人と結婚するだけなのに、どうしてこんなに書類が必要なの?」
と、ため息をつきながら思ったのを今でも覚えています。
国際結婚では、日本とタイ、両国に関わる手続きが必要になります。
婚姻届や結婚証明書の準備、翻訳や認証、さらにOビザ(配偶者ビザ)の申請まで、一見すると大変そうですが、順番に進めていけば必ず終わります。
焦らず、一つひとつ丁寧に確認しながら進めることが大切です。
そうすることで不安が少しずつ和らぎ、「いよいよ結婚するんだ」という実感や喜びをしっかり味わえます。
この記事では、私の経験をもとに、タイでの婚姻登録から日本への届出、必要な書類や注意点まで、手続きをスムーズに進めるコツや、ちょっとしたトラブルを避けるポイントまで、なるべく分かりやすく紹介しています。
タイ人との国際結婚の制度と基本ルール

タイの素敵なパートナーとの未来を真剣に考えている皆さん、手続きのことで少し頭を悩ませていませんか?
「国際結婚」って聞くと、すごくロマンチックな響きですが、その裏側には、
タイと日本、2つの国の法律と行政が絡み合った手続き
が待ち構えているんですよね。
たぶん、多くの方が最初に「タイで婚姻手続きを済ませたら、もう終わりでしょ?」って思いますよね。
私も最初はそうでした!でも、ここが実は一番の落とし穴なんです。
制度の仕組みをちゃんと理解しないまま進めると、「せっかく頑張って書類を揃えたのに、日本の役所では認められなかった…」なんて、時間も労力も無駄になる悲しいケースに繋がりかねません。
こんな悔しい経験は、皆さんには絶対にしてほしくないんです。
日本とタイでの手続きは「セット」
国際結婚の手続きで、まず最初に「なるほど!」と納得してほしいのが、
「どちらか一方の国で終わらせたらダメ」という原則です。
例えば、タイの役場(アンプー)で正式に登録を済ませても、それを日本の役所に届け出なければ、日本の戸籍はずっと「独身」のまま。
逆に、日本で婚姻届を出しただけで満足していると、タイ側では「まだ独身だね」という扱いになってしまうんです。
これでは、向こうでの生活や、パートナーが日本に来る時の手続きでも絶対につまずきます。
だからこそ、日タイ間の結婚では、
必ず両国での法的な手続きがセット
で必要になるわけです。
一般的な流れとしては、「先にタイでやるか、日本でやるか」を決めて、登録が終わったら、「もう片方の国に結婚したことを報告する」という、報告作業がセットで入ってくるイメージです。
この2段階を踏んで、初めて両国の法律から「お二人とも正式な夫婦ですよ!」と認められるんですよ。
婚姻を有効にする条件
お二人のご結婚が法律的に有効と認められるには、日本とタイ、それぞれが定めている基本的な条件をクリアしなくてはいけません。
具体的には、
- お互いにちゃんと独身であること(重婚はダメ、というのは世界共通ですね)
- 法律で定められた結婚できる年齢に達していること
- もちろん、お二人の自由な意思での結婚であること
- 正規の役所(アンプーとか役場ですね)で手続きをすること
などが、ベースとなる条件です。
結婚式をどんなに豪華に挙げても、それ自体には法的な効力がないということです。
日本もタイも、役所で婚姻登録を行い、『結婚証明書』をもらう」ことこそが、法律上の結婚成立の瞬間なんです。
「形式的でちょっと寂しいな」と感じるかもしれませんが、「登録が全て」です。
これがルールだと割り切って、書類をしっかり整えることが重要になります。
書類用語を整理
手続きを進めていると、「あの書類と、この書類、どう違うんだっけ?」と頭がこんがらがってくるのが、書類の名前です。
国によって呼び方や役割が少しずつ違うので、ここでサクッと整理しておきましょう。
| 用語 | 内容・発行先 | 私たちが手続きで感じるポイント |
| 婚姻届(日本) | 日本の役所に提出する書類です。 | これが日本の戸籍に「既婚」と載るための唯一の書類です。 |
| 結婚証明書(タイ) | タイの役所(アンプー)が発行する公式証明書。 | タイ語で“ใบสำคัญการสมรส”(バイ サムカン ガーン ソムロット)。これがないとタイでは夫婦と認められません。 |
| 独身証明書(日本) | あなたが日本で独身であることを公的に証明するもの。 | タイで先に結婚する際に、大使館などで必ず必要になります。 |
| 独身証明書(タイ) | パートナーがタイで独身であることを示す書類。 | 日本で先に婚姻届を出す際に、この提出を求められます。 |
ご覧の通り、「先にどちらの国でスタートを切るか」で、相手国に提出する書類のセットが全く違ってくるのが分かりますよね。
- タイで先にやる場合 → 日本の証明書(独身証明書)を用意!
- 日本で先にやる場合 → タイ側の証明書(独身証明書)を用意!
タイの方との結婚手続きは、確かに最初は「書類の山で気が遠くなる…」と感じるかもしれません。
でも、実際にやってみると、実はルール自体はシンプルで、「知っているか、知っていないか」で難易度が大きく変わってきます。
違いを正しく理解して、焦らず順序通りに進めていけば、想像以上にスムーズに完了できるものですから、どうか身構えすぎないでくださいね。
まずは、
- 両国での届出は「必須セット」であること
- 結婚証明書と婚姻届は別モノだと区別すること
- 結婚式より婚姻登録こそが法律上の本番であること
この3つのポイントをしっかり頭に入れておきましょう。
これだけで、手続きの途中で道に迷うことをグッと減らせます。
タイで結婚する場合の手続きと必要書類

タイ人のパートナーと「本当に結婚したい」と思った瞬間、まず最初に立ちはだかるのが手続きの壁。
愛があれば大丈夫…と言いたいところですが、現実はなかなか書類の世界です。
でも安心してください。
流れを理解して一歩ずつ進めていけば、きっと乗り越えられます。
私も最初は何がなんだかわからず、Google翻訳を片手に役所を3往復しました。
けれど、終わってみると「これも一つの思い出だったな」と思えるようになりました。
では、実際にタイで婚姻登録をするまでの流れを、体験談を交えながら紹介しますね。
日本人側が準備する主な書類
まずは日本人側の準備から。
タイで結婚手続きをする場合、「私は結婚していません」という証明が必要になります。
必要な書類はこの2つです。
- 独身証明書(Certificate of Being Single)
本籍地の市区町村役場で発行してもらいます。
300円ほどで取得でき、郵送でもOK。
この書類が、あなたが現在独身であることを証明してくれます。 - 戸籍謄本
同じく本籍地の役所で取得します。
結婚歴や家族関係などが分かる、日本独自の書類です。
これらを英訳して、日本大使館で認証を受け、さらにタイ外務省で認証してもらう必要があります。
手続きが多いように見えますが、「順番通りに」「丁寧に」進めるのがポイントです。
私は最初、翻訳会社の名前のスタンプが抜けていてやり直しになりました。
正直、あの時は泣きそうになりましたが(笑)、それも今ではいい経験です。
在タイ日本大使館での認証手続き
書類を揃えたら、次は在タイ日本大使館(または領事館)へ。
ここで発行してもらうのが、婚姻要件具備証明書(Affirmation of Marriage Eligibility)です。
これは「この日本人は結婚しても大丈夫ですよ」という証明書で、タイの役所が婚姻登録を受け付けるために必要になります。
大使館では、提出した独身証明書や戸籍謄本を確認し、通常は翌営業日には発行されます。
私はバンコクの大使館で手続きをしましたが、受付の方がとても丁寧で安心しました。
待合室には同じように婚姻手続きをしているカップルもいて、
「みんな頑張ってるんだな」
とちょっと勇気をもらえたのを覚えています。
タイの区役所(アンプー)での婚姻登録
次はいよいよ、タイ側での婚姻登録です。
タイでは、アンプー(郡役所)で婚姻届を出します。
ここが日本でいう“入籍”にあたる大事なステップ。
婚姻登録の当日は、
- 婚姻要件具備証明書(タイ語翻訳付き)
- 日本人・タイ人双方の身分証明書やパスポート
- タイ人側の戸籍(タビアンバーン)
を提出します。
区役所によっては、通訳の立ち会いや証人2名の署名が求められることもあります。
私が手続きをしたアンプーでは証人が必須で、結婚証明書にもその名前がしっかり記載されました。
一方で、バンコクなど都市部では証人を立てなくても、職員が代わりに署名してくれるケースもあるそうです。
私の場合は、通訳が必要なのか分からなかったので、とりあえず通訳なしで役所に行ってみました。
窓口で「タイ語が話せますか?」と聞かれ、「ちょっとだけ」と答えたところ、なんとそのまま通訳なしでOKになりました。
少し難しい質問があった時だけ、タイ人の夫が助け舟を出してくれて、それでも特に問題はありませんでした。
ただし、証人が2人必要という点は必須でした。
結婚証明書にも、その証人の名前がしっかりと記載されます。
それより大変だったのは、手続きにかかった時間です。
朝一番に役所へ行ったのに、係の人が一人しかおらず、別の用事が入るたびに後回しにされてしまって…
結局、他の職員が帰り始めた午後4時過ぎにようやく手続きが終わりました。
後から聞いた話によると、賄賂を渡さなかったことが原因で時間がかかったようです。
とはいえ、証人になってくれた方が役所関係の人だったおかげで、その日のうちに無事に終えられたのは本当にラッキーでした。
タイでは、お金や人脈がものを言う…
それを肌で感じた一日でした。
無事に手続きが終わると、結婚証明書(Marriage Certificate)が交付されます。
これを受け取ったとき、「あぁ、本当に結婚したんだ」と心から実感できました。
結婚証明書の翻訳と外務省認証
さて、これで終わり…ではありません。
タイで発行された結婚証明書は、日本で有効にするために、もうひと手間必要です。
- 公認翻訳者による翻訳(英語または日本語)
- タイ外務省の領事部で認証
この2つを済ませた書類を日本に提出すれば、正式に日本でも夫婦として認められます。
翻訳会社によっては、「翻訳+認証手続き代行」をセットで請け負ってくれるところもあるので、
時間を節約したい方にはおすすめです。
手続きにかかる日数・費用の目安
全体の流れをまとめると、
だいたい1週間〜10日ほど
で完了します。
ただし、翻訳や認証のタイミングによってはもう少しかかることもあります。
費用の目安はおおよそ以下の通りです。
| 項目 | おおよその費用 |
|---|---|
| 独身証明書・戸籍謄本の取得 | 各300円前後 |
| 翻訳・認証費用 | 約1,000〜3,000バーツ |
| 合計目安 | 約3,000〜6,000バーツ |
(※都市部と地方で差があります)
個人的には、書類よりも「役所を探す」ことに一番苦労しました。
Googleマップの口コミで“外国人に優しいアンプー”を探すのも一つのコツです。
正直に言えば、タイでの婚姻手続きは簡単ではありません。
でも、書類を一枚一枚そろえていくたびに、
「本当にこの人と人生を歩むんだ」
という気持ちが強くなっていきます。
私も、最後に結婚証明書を受け取ったとき、書類よりも“その人と一緒に乗り越えた時間”が何より大切だったと感じました。
タイでの婚姻手続きは、まさに“ふたりの最初の共同作業”。
焦らず、笑いながら、一歩ずつ進めていきましょう。
日本で結婚する場合の手続きと流れ

「タイ人の彼(彼女)と日本で結婚したいけど、手続きが難しそう…」
そんな不安、ありますよね。
私も最初は、何をどこに出せばいいのか、正直チンプンカンプンでした。
でも実際に進めてみると、「あ、意外とシンプルかも」と思える部分も多かったんです。
ここでは、日本での婚姻手続きの流れを解説していきます。
タイ人パートナーが準備する必要書類
まず最初のステップは、タイ人側の書類準備です。
ここが少しややこしいのですが、要は「この人は独身で、身元が正式に確認できます」という証明を日本の役所に出す必要がある、ということです。
具体的には以下の3つが基本です。
- 独身証明書(Certificate of Single Status)
タイの区役所(アンプー)で発行。日本の「独身証明書」と同じ意味ですね。
「この人は結婚していません」という証明です。 - 出生証明書(Birth Certificate)
タイでの出生情報を示すものです。これも原本が必要です。 - パスポート(および在留カード)
在日中であれば、ビザの種類や在留資格も確認されます。
ここで注意なのが、すべてタイ語で書かれているという点。
日本の役所ではそのままでは通じないので、日本語への翻訳が必要になります。
ちなみに翻訳は本人でもOKですが、役所によっては「専門業者による翻訳」を求められることもあります。
私の友人は、「自分で翻訳しても認めてもらえなかった」そうで、もう一度出し直すことになったそうです。
翻訳の正確さは、地味ですがとても大事です。
書類の翻訳・公証・在日タイ大使館での認証
タイで発行された書類を日本で使うためには、「これは本物です」というお墨付きをもらう必要があります。
これが「認証手続き」です。
流れは、
- タイで取得した独身証明書や出生証明書を日本語に翻訳
- 翻訳したものを 在日タイ大使館または領事館 で認証してもらう
- 認証済みの書類を日本の市区町村役場に提出
このステップを通して、ようやく「この書類は正式にタイで発行された本物です」と日本側に証明できます。
大使館に行くと、他にも同じように国際結婚の手続きをしているカップルをよく見かけます。
みんな、ちょっと緊張しながら書類を確認しながら、言葉も文化も違う中で、一緒に未来をつくろうとしている。
そんな空気が、なんだか温かいですね。
日本の役所での婚姻届提出の流れ
いよいよ、日本の役所で婚姻届を提出します。
この瞬間が、実は一番ドキドキです。
手続き自体は日本人同士とほぼ同じですが、少しだけ違う点があります。
- 婚姻届の「証人」欄に 日本人2名の署名 が必要
- 提出先は 日本人の本籍地、または住所地 の役所
- 婚姻届受理証明書 をその場で発行してもらうのを忘れずに
この「証人」探しが意外と大変で、私の知人は最初、頼む人が見つからずに数日遅れたそうです。
家族や友人に頼むのが一般的ですが、事情を話せば役所の職員が署名してくれるケースもあります。
提出するとき、担当職員の方が少し緊張して「タイの書類は認証済みですね?」と何度も確認されたそうです。
書類の枚数が多いので、きっと確認も慎重になるのでしょう。
そのぶん、受理印が押された瞬間は、胸の奥からじんわりと嬉しさがこみ上げてくるでしょう。
日本側で結婚を証明するための書類整理
婚姻届が受理されると、晴れて日本では正式に夫婦として認められます。
ただし、この時点ではタイ側ではまだ「未登録」です。
つまり、
日本では夫婦、でもタイではまだ独身扱い
なんですね。
将来的にタイで生活する予定がある方や、配偶者ビザ(結婚ビザ)を申請する方は、ここからもう一歩、「タイでの婚姻登録」が必要になります。
このときに大活躍するのが、次で説明する「婚姻届受理証明書」です。
婚姻届受理証明書の使い方
この書類、意外と軽視されがちですが、とても大事です。
婚姻届を出したあと、役所で申請すると発行してもらえます。
用途は主に2つです。
- タイ側の婚姻登録(タイの役所に提出)
- 結婚ビザ(Oビザ)の申請時に使用
つまり、これが「日本で結婚しました」という公式な証拠になります。
私の友人は、この証明書をもらい忘れてしまい、後からタイの役所で「証明書がないと登録できません」と言われ、慌てて日本から郵送してもらったそうです。
ほんの一枚の紙ですが、これがないと次のステップに進めないんです。
なので、
婚姻届を出したその日に発行してもらう
のがベストです。
日本での国際結婚手続きは、たしかに少し面倒に感じることもあります。
でも、言葉の壁が少ないぶん、トラブルも少なく、手続きはとても整っています。
書類の山にうんざりした瞬間もありましたが、一つひとつクリアするたびに、
「一緒に人生を歩むんだな」
という実感が少しずつ湧いてくるでしょう。
もし今あなたが同じ準備をしているなら、焦らず、一歩ずつ進めてください。
書類の先には、ちゃんと「二人のスタートライン」が待っています。
※タイ配偶者ビザについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。↓
タイ婚と日本婚の違いを徹底比較

「タイで結婚したほうがいいの?それとも日本のほうが楽?」
国際結婚を考え始めると、まず最初にぶつかるのがこの疑問ではないでしょうか。
私自身、結婚準備をしていたときに一番悩んだのがここでした。
タイと日本、どちらでも結婚手続きはできますが、手間も雰囲気も、まったく違うんです。
ここでは、実際に両方のケースを見てきた経験から、メリット・デメリットを分かりやすく比較してみます。
タイで結婚する「タイ婚」のメリット・デメリット
メリット
- その場で結婚証明書がもらえる!
婚姻登録が完了した瞬間に、正式な「結婚証明書(Marriage Certificate)」が発行されます。
証書を受け取ったときの感動はひとしお。タイ語で自分の名前が書かれた書類を見ると、
「本当に結婚したんだ…!」
と実感します。 - タイ側の家族が喜んでくれる
タイでは「結婚=家と家のつながり」という意識が強いので、現地で登録すると家族みんなが参加しやすく、お祝いムードになります。
式を開かなくても「区役所での手続き」が一つのセレモニーのようになるんです。 - タイで暮らす予定のカップルにはスムーズ
のちの「結婚ビザ(Oビザ)」や銀行手続き、家の契約などもタイ婚のほうがスムーズに進むことが多いです。
デメリット
- 手続きの複雑さ・役所によるばらつき
タイの区役所(アンプー)は、地域によって対応が本当に違います。
「通訳が必要」「証人が必須」「書類の形式が違う」など、現場判断に左右されることが多いんです。
私の場合も、通訳なしで行けたものの、朝から夕方までかかり、途中で何度も待たされました。
後から聞くと、賄賂を渡さなかったから後回しにされたとか…
それもタイらしさといえばタイらしさですが、余裕を持ったスケジュールは必須です。
- 日本側に報告婚が必要
タイで結婚しただけでは、日本ではまだ「未婚扱い」です。
日本の役所に「婚姻報告」を出すことで、両国で正式に結婚が成立します。
ここを忘れると、日本では独身として扱われ続けてしまうので注意です。
日本で結婚する「日本婚」のメリット・デメリット
メリット
- 手続きが安定していて、流れが明確
日本の役所は全国どこでも手続きが統一されており、必要書類や対応が安定しています。
担当者も丁寧に説明してくれるので、「何をどうすればいいのか」が分かりやすいです。 - 書類のトラブルが少ない
認証や翻訳の段階で戸惑うことはありますが、一度整えてしまえばスムーズ。
しかも、婚姻届を出したその日から正式に「夫婦」になれるのも日本婚の良いところです。 - 日本語でやり取りできる安心感
タイ語が苦手な日本人にとって、言葉の壁がないのは大きなメリットです。
特に役所関係の説明は専門用語が多いので、日本語で進められるだけでもストレスがぐっと減ります。
デメリット
- タイ側の書類準備が手間
独身証明書や出生証明書をタイで取得し、日本語に翻訳・公証・大使館認証…と、なかなか時間がかかります。
「あと一枚足りない」と言われて再提出になる人も少なくありません。 - タイでの婚姻登録を別途行う必要がある
日本で結婚が成立しても、タイ側では「未婚」のままです。
将来的にタイで生活したり、配偶者ビザを申請したい場合は、タイの役所で「日本婚の報告手続き」をする必要があります。
必要書類と手間の違いを比較
| 項目 | タイ婚(タイで登録) | 日本婚(日本で登録) |
|---|---|---|
| メイン書類 | 婚姻要件具備証明書+パスポート等 | 独身証明書+出生証明書+翻訳 |
| 言語 | タイ語中心(翻訳が必要) | 日本語中心(翻訳が必要) |
| 通訳 | 求められることが多い | 不要 |
| 証人 | 区役所による(2名必要な場合あり) | 必ず2名必要 |
| 費用感 | 翻訳+交通+認証費用で約3,000〜8,000バーツ程度 | 翻訳+認証+郵送費などで1〜3万円前後 |
| 所要時間 | 1〜3日(役所次第) | 1〜2日(準備が整っていれば即日可) |
どちらを選ぶ?
どちらが正しいというより、「どこでこれから暮らすのか」によって選び方が変わります。
- タイで生活する予定の人 → タイ婚がおすすめ。結婚証明書がそのまま現地で使えます。
- 日本で生活する予定の人 → 日本婚が安心。書類管理も日本語で進められます。
私の周りでは、最初に日本で結婚してから、後でタイでも登録する“二段階婚”のカップルが一番多いです。
私自身もそうでしたが、
「日本で安心して受理される」→「その書類を持ってタイに報告」
という流れがスムーズです。
タイ婚も日本婚も、「どちらかが正解」ということはありません。
どちらにも良さがあり、どちらにも“タイらしさ”や“日本らしさ”が表れています。
大切なのは、
二人の生活の軸をどこに置くか。
そして、どんな形でも「お互いを思いやって一歩ずつ進むこと」です。
国や制度の違いに戸惑うこともあるけれど、それを一緒に乗り越える過程こそ、国際結婚の本当のスタートなのかもしれませんね。
結婚後に必要な手続き

結婚証明書を受け取ってホッと一息…と言いたいところですが、実はここからが本当のスタートです。
日本人とタイ人の国際結婚では、「結婚後の手続き」がもうひと山あります。
ここをきちんと済ませておかないと、後でビザや日本での婚姻認定でトラブルになることも。
私もこの時期は
「やっと結婚できたのに、まだ終わらないの!?」
と思いましたが、順序よく進めれば大丈夫です。
ひとつずつ整理していきましょう。
タイで結婚した場合
タイで婚姻登録をした場合、その結婚はタイ国内では正式に有効ですが、日本でも法的に「既婚」と認められるためには、
日本側への届出
が必要です。
手続きの流れとしては、まずタイの区役所(アンプー)で結婚証明書(Marriage Certificate)を受け取り、
それを日本語に翻訳した上で、在タイ日本大使館または領事館に届出を行います。
このとき提出するのは、
- 結婚証明書(タイ語原本)
- その日本語訳(自分で翻訳してOK)
- 日本人配偶者の戸籍謄本(原本または写し)
などです。
大使館では、書類を確認のうえ受理し、日本の市区町村役場へ公式に通知してくれます。
そのため、自分で郵送などをする必要はありません。
私の場合も、タイで婚姻登録をしたあと、すぐに在タイ日本大使館へ届出をしました。
窓口の方が丁寧に説明してくださり、すべての書類を確認したうえで「こちらから日本に連絡しますね」と言われました。
手続き自体は思っていたよりずっとスムーズで、
「これで日本の戸籍にも反映されるんだ」
と安心したのを今でも覚えています。
翻訳については、特に「認定翻訳」や外務省での追加認証は求められませんでした。
タイ語がある程度読める方なら、自分で翻訳して提出しても問題ありません。
もちろん、心配な場合は翻訳会社に依頼するのも安心です。
日本の役所への届出
在タイ日本大使館に届出を行うと、日本側の戸籍にも正式に反映され、戸籍謄本には「〇年〇月〇日 タイ王国において婚姻」と記載されます。
この記載があることで、
日本国内でも正式に“既婚”として扱われる
ようになります。
一方で、この届出を忘れると、日本では依然として「未婚」のまま扱われてしまうこともあります。
たとえば、後に日本で配偶者ビザや各種行政手続きを行う際、戸籍上の齟齬が生じる可能性もあります。
ですから、結婚証明書を受け取ったら、できるだけ早めに日本大使館や領事館に届出を行うのが安心です。
担当の方は慣れていますし、必要な書類や流れを丁寧に案内してくれます。
結婚ビザ(Oビザ/配偶者ビザ)の申請手順
タイに住む場合、日本人配偶者は「Oビザ」(Non-Immigrant O)を申請することになります。
このビザは、「タイ人の配偶者として滞在する」ためのビザです。
申請は、タイ国内の入国管理局で行います。
必要書類は以下の通りです:
- タイ人配偶者の身分証・タビアンバーン(住民登録)
- 結婚証明書(英語または日本語訳付き)
- 日本人配偶者のパスポート
- 共同生活を証明する写真(自宅での写真など)
- 収入証明または銀行残高証明(40万バーツ以上が目安)
審査は書類だけでなく、実際に夫婦として生活しているかを重視される傾向があります。
手続きは少し緊張しますが、職員さんは慣れているので、誠実に説明すれば問題ありません。
日本で暮らす場合:配偶者ビザの申請
一方、夫婦で日本に住む場合、タイ人パートナーは「日本人の配偶者等」ビザを申請します。
こちらは日本の入国管理局で行います。
必要書類は以下のようになります。
- 日本人側の戸籍謄本(婚姻の記載入り)
- タイ人のパスポート・結婚証明書
- 夫婦の写真やメッセージのやりとりなど(関係の証明)
- 日本での収入証明・住民票
日本のビザ審査では、「偽装結婚でないこと」を慎重に確認されます。
私の友人も、写真やLINEの履歴など、思っていた以上に細かくチェックされたと言っていました。
ただ、しっかり準備していれば審査はスムーズに進みます。
結婚後の住所・姓の変更など行政手続き
婚姻が成立すると、いくつかの生活関連の手続きも必要です。
- 日本人側の戸籍・住民票の更新
- 名前の変更(希望する場合)
- 銀行口座や保険の名義変更
- タイ側のIDカード・タビアンバーンの更新
これらは一見地味ですが、後でまとめてやろうとすると混乱します。
私は名前の変更をしなかったので楽でしたが、もし夫婦で姓をそろえる場合は、早めに動いた方がスムーズです。
国際結婚の手続きは、国ごとにルールが異なり、やることも倍になります。
でも、「どちらの国の制度もきちんと尊重して進める」という気持ちがあれば、ちゃんと乗り越えられます。
私も途中で何度も「これで合ってるのかな?」と不安になりましたが、役所の人や経験者のアドバイスに助けられながら、すべて完了したときには本当に達成感がありました。
焦らず、丁寧に一つずつ進めていけば、きっと大丈夫です。
「結婚後の手続き」は面倒に感じるかもしれませんが、それを乗り越えた先に、二人の新しい生活がしっかりと始まります。
結婚ビザの取得と注意点

タイでの結婚生活をスタートしたら、次のステップは「結婚ビザ(Oビザ)」の取得です。
「結婚したからもう住めるでしょ?」と思われるかもしれませんが、実際は少し手続きが必要なんです。
私自身も最初はどこから手をつけていいのか分からず、何度もイミグレーションのサイトを見返しました。
でも大丈夫。
流れを理解すれば、ひとつひとつ確実に進めていけます。
結婚ビザの種類と条件の違い
まず、「Oビザ(Non-Immigrant O)」にはいくつかの種類があります。
その中でも、タイ人と結婚した外国人が申請するタイプが、一般的に「結婚ビザ」と呼ばれるものです。
申請の条件には、次のようなものがあります。
- タイ人との正式な婚姻証明書があること
- 日本人男性の場合は、経済的に安定していること
(たとえば、銀行残高40万バーツ以上、または月収4万バーツ以上) - 結婚生活が実際に続いていること(訪問調査が入ることも)
つまり「書類上の結婚」だけでは足りず、
一緒に暮らしている実態や経済面も大切
なんです。
私はこの条件を初めて聞いたとき、正直ちょっと緊張しました。
でも準備さえ整えれば、それほど難しくありません。
※タイ配偶者ビザについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。↓
日本での在留資格「日本人の配偶者等」取得の流れ
逆に、タイ人の夫(または妻)が日本で暮らす場合には、日本で「日本人の配偶者等」という在留資格を申請します。
こちらも同じく、結婚の実態と安定した生活がポイントです。
婚姻証明書の日本語訳、夫婦の写真、メッセージのやり取りなど、「本当に結婚生活を送っている」ことを示す資料が求められます。
お互いの文化が違う分、審査も慎重なんですね。
タイでのOビザ申請と延長手続き
タイでOビザを取る場合、まずは90日または1年の滞在許可が与えられます。
その後、毎年の延長が必要になります。
つまり、結婚生活が続く限り、毎年「更新」という名の小さな試験を受けるような感覚です。
申請時に必要な主な書類は以下のとおりです。
- タイ人配偶者との結婚証明書
- 日本人男性の場合は銀行残高証明書(40万バーツ以上)
- 夫婦の写真(家の前・リビングなど、実際に暮らしている様子がわかるもの)
- 家の賃貸契約書や住所証明書
私のときは、写真を撮るのがちょっと面白かったです。
移民局の人が「家の前でツーショットを」と言うので、門の前で少し緊張しながら笑顔を作りました。
でも後から見返すと、それも思い出の一枚になっていました。
ビザ申請時のよくあるトラブル・審査落ち理由
結婚ビザの審査でつまずきやすいのは、「経済証明」と「書類の整合性」です。
たとえば、40万バーツの残高を2か月以上維持していないとダメというルールがあるのですが、これを知らずに直前に入金してしまう人が多いんです。
また、婚姻証明書や家の住所が一致していなかったり、写真の提出を忘れたりして、「書類不備」で審査が長引くケースもあります。
私の友人は、申請時に必要な写真を印刷し忘れて、「じゃあ明日また来てね」と言われ、丸1日やり直しになってしまいました。
タイでは“書類の抜け”が命取りになるので、事前チェックは本当に大切です。
安心してビザを維持するためのポイント
無事にOビザを取っても、油断は禁物です。
毎年の更新を忘れると、ビザが失効してしまいます。
タイでは更新期限の30日前から手続きができますので、早めの準備が安心です。
さらに、90日ごとの居住報告(90-day report)も忘れずに。
これをうっかり忘れて罰金を取られた…という話もよく聞きます。
私はスマホのカレンダーに「90日報告日」をリマインド登録して、忘れないようにしています。
結婚ビザの手続きは、最初こそ複雑に感じますが、慣れてくると流れがつかめてきます。
私も最初の申請のときは不安でいっぱいでしたが、今では更新のたびに「また1年、一緒に暮らせるんだな」としみじみ感じるようになりました。
手続きは確かに大変ですが、その分、夫婦としての生活を公式に認めてもらえる喜びもあります。
焦らずに、ひとつずつ丁寧に進めていけば大丈夫。
あなたの結婚生活が穏やかに続くよう、心から応援しています。
※90日レポートについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。↓
タイ人との結婚手続きを安心して進めるために

国際結婚の手続きって、本当に大変ですよね。
初めて聞く書類の名前や、慣れない役所のルールばかりです。
私もタイ人の夫と結婚したとき、何度も深呼吸をしながら
「これで本当に大丈夫かな…?」
と自問していました。
けれど、焦らず一つひとつ整理していくうちに、ちゃんとゴールにたどり着けたんです。
ここでは、私の体験をもとに「スムーズに進めるコツ」と「トラブルを防ぐための注意点」を、できるだけわかりやすくまとめてみました。
同じように手続きを控えている方が、少しでも安心して進められたら嬉しいです。
認証の順番とチェックのコツ
まず最初のハードルは、認証の順番です。
タイで発行された書類を日本で使うには、決まった流れを守らないといけません。
- タイ外務省で認証(Legalization)
タイの役所が発行した書類の正当性を、タイ政府が証明してくれます。 - 在タイ日本大使館または領事館で提出・認証
これで日本の公的書類として正式に認められます。
この順番を間違えてしまうと、もう一度最初からやり直しになることも。
私は書類のコピー・原本・翻訳版をすべてひとまとめにして持って行き、「あ、これ忘れた!」という焦りを防げました。
ちょっと神経質なくらいの準備が、あとで自分を助けてくれます。
有効期限と翻訳の落とし穴
手続き書類には有効期限があります。
たとえば婚姻要件具備証明書は、発行から3か月以内でないと受け付けてもらえません。
私はこれを知らずに、うっかり期限ギリギリになって慌てたことがありました。
ですから、発行日をカレンダーに書き込んでおくのをおすすめします。
また、翻訳の精度も侮れません。
自分で翻訳することもできますが、役所によっては「公認翻訳+外務省認証」でなければ受け付けてもらえないことがあります。
私も迷わず一部の書類を翻訳業者にお願いしたところ、受付がとてもスムーズで、本当にホッとしました。
「手間を省くより、確実さを優先する」――これは私の中で大きな教訓になりました。
よくあるトラブルとその回避法
次に、実際によくあるトラブルをご紹介します。
最も多いのが書類の不備。
「全部揃った!」と思って意気揚々と提出したら、「この認証が抜けていますね」と言われて差し戻し…。
これは珍しい話ではありません。
特に名前のスペルミスやタイ文字の表記違いは、たった1文字でもやり直しになることがあるんです。
必ず自分の目で最終チェックをしてくださいね。
もうひとつ気をつけたいのが、代行業者の選び方。
「全部お任せできます」と言われても、実際は本人の署名や出頭が必要なケースが多く、結局自分でやり直す人も少なくありません。
私たちも一度代行を検討しましたが、結果的に「自分でやった方が早いね」と判断しました。
とはいえ、翻訳や認証だけを任せられる部分的な代行はとても便利です。
私たちは「公認翻訳+外務省認証+書類の受け取り」だけ業者さんにお願いし、移動や待ち時間のストレスを大幅に減らせました。
すべてを丸投げするのではなく、「必要な部分だけ頼る」――このバランスが大事だと思います。
お金のやり取りとスピードの話
タイの役所は、場所や担当者によってスピードに差があります。
「少しお金を渡すと早くなる」と耳にすることもありますが、
公式には賄賂は必要ありません。
私自身、そんなことを考えた瞬間もありましたが、結局は「書類を完璧に整えておく」ことが一番の近道でした。
手続き費用も意外と細かく発生します。
翻訳費、公証費、認証費、コピー代、交通費…。
私はノートにざっと金額を書き出して整理していましたが、それだけでも気持ちがだいぶ楽になりました。
トラブルを防ぐための心得5つ
最後に、私が体験を通して学んだ「安心して進めるための心得」をシェアします。
- 書類の翻訳・認証は必ず自分の目で再確認する
- 代行業者を使う場合は、実績や口コミをよく確認する
- スペルミスや期限切れには要注意
- 必要な費用を事前にリストアップしておく
- 不明点は大使館や役所に遠慮せず質問する
タイでの結婚手続きは、文化も制度も違う中で本当に大変です。
でも、焦らず一歩ずつ進めていけば、ちゃんと道が開けます。
私も何度も壁にぶつかりましたが、今ではあの時間も良い思い出です。
「慎重すぎるくらいで、ちょうどいい」
そう思いながら進めていけば、きっと大丈夫です。
手続きの先には、新しい人生のスタートが待っています。
どうか笑顔でその一歩を踏み出してくださいね。
まとめ
タイ人との結婚は、書類手続きだけでなく、言葉や文化、生活リズムの違いも伴うわくわくする大冒険です。
でも、準備の手順をしっかり押さえ、トラブルの原因になりやすいポイントをあらかじめ確認しておけば、安心して婚姻のスタートを切ることができます。
私たちが学んだ最大の教訓は、「完璧を目指さなくてもいい」ということ。
人間ですから、小さなミスはあって当たり前。
だからこそ、パートナーと協力して確認し合うことが何より大切だと感じました。
もし手続きで疲れてしまったら、遠慮せず一旦ストップして、美味しいものを食べて休憩してくださいね。
心身ともに元気な方が、ミスを防げますし、何より頑張りすぎないことが大切です。
また、書類集めは日本側、役所でのタイ語でのやり取りはタイ側、という風に得意なことを分担するだけで、ストレスは半分以下になりますよ。
手続きの過程でイライラしたり、意見が食い違ったりしても、最終的な目標は「二人の幸せな結婚」であることをどうか忘れないでください。
「私たちはチームだ!」という意識が、きっと二人を助けてくれます。
こうした準備を重ねることで、手続きを終えた時の喜びと、お互いの絆の深まりは、普通の結婚とは比べ物になりません!
どうぞ無理せず、この経験を二人の良い思い出にしてくださいね。
最高の結婚生活のスタートを心から応援しています!