正直に言うと、はじめてバンコクを訪れたとき、私はパワースポットにほとんど興味がありませんでした。
でもエラワン廟(エラワンの祠)の前に立ったとき、思わず足が止まりました。
高層ビルと高架道路に囲まれた繁華街のど真ん中に、黄金の神像が静かに輝いているんです。
花と線香の香りが漂い、タイ伝統音楽が流れ、参拝者の列が途切れることがありません。
「これは本物のパワースポットだ」と肌で感じた瞬間でした。
ひっきりなしに訪れる参拝者の真剣な眼差しを目の当たりにして、「ここは本物だ」と肌で感じたのを覚えています。
エラワン廟(英語名:Erawan Shrine)は、ヒンドゥー教の創造神・ブラフマー(タイ語ではプラ・プロム)を祀る場所です。
地元のタイ人から世界中の旅人まで、国籍を問わず多くの人が祈りを捧げに来る、まさにバンコクの心臓部のようなスポットです。
この祠が誕生したのは1950年代のこと。当時、隣接するグランド・ハイアット・エラワン・ホテルの建設中に不慮の事故が相次ぎ、工事がストップしてしまいました。
困り果てた関係者が占星術師のアドバイスを受け、ブラフマー神を祀る祠を建立したところ、それまでのトラブルが嘘のように工事がスムーズに進んだといわれています。
ブラフマー神は、金運・健康・恋愛・仕事・学業…と、あらゆる願いを受け止めてくれる「万能の神様」です。
タイを訪れる芸能人やセレブがお忍びでお参りに来るという噂が絶えないのも、その強力なご利益ゆえかもしれません。
この記事では、エラワン廟の行き方や最寄り駅からのルート、恋愛が叶ったと話題の夜の参拝方法、おすすめの服装まで詳しくご紹介します。
エラワン廟の行き方と最寄り駅は

エラワン廟の最寄り駅はBTSチットロム駅!
BTS「チットロム(Chit Lom)」駅(E1)が最短!
一番のオススメは、BTSスクムビット線のチットロム駅を利用するルートです。
駅からエラワン廟までは歩いて2〜3分です。
バンコク特有の「もわっ」とした熱気の中でも、これくらいの距離なら涼しい顔で到着できます。
迷わない!6番出口からの歩き方
改札を出たら、そのまま「スカイウォーク(高架歩道)」を進んでください。
右手にインターコンチネンタルホテルが見えたら、向かい側の通路へ行き、階段を降りれば、もうそこは神様の目の前です。
スカイウォークの上から黄金の神像を見下ろせるので、まず迷うことはありません。
ラチャダムリ駅やサイアム駅からのアクセス方法
もしシーロム線を利用しているなら、「ラチャダムリ(Ratchadamri)」駅の4番出口から歩くのも手です(徒歩約5〜6分)。
また、お買い物好きの方なら「サイアム(Siam)」駅からデパートの中を通り抜け、涼みながらスカイウォークを歩いてくるのも楽しいですよ。
強い日差しや突然のスコールを避けられる、賢いルートです。
エラワン廟でのお参りの仕方

参拝セットは必ず「敷地内」の公式売店で購入
ここで一つ、大事なアドバイスがあります。
エラワン廟の周りには花を売る露店がたくさんありますが、観光客にはかなり強気の価格で声をかけてくることがあります。
初心者は迷わず、敷地内にある「公式売店」(緑の屋根が目印)へ直行しましょう。
定額なので安心ですし、何よりここでの売り上げは祠の維持に使われます。
- 小さいセット(20〜25バーツ):はじめての方ならこれで十分!
- スタンダード(80バーツ前後):しっかりお供えしたい方向け。
黄金の四面仏「ブラフマー神」を時計回りにお参りする手順
ブラフマー神は4つの顔を持つ神様です。
作法は「正面からスタートして時計回り」。
- 正面(入口側)から:まずは自己紹介とお願い。
- 2面目(右側):恋愛・家庭運。
- 3面目(後ろ):金運・財運。
- 4面目(左側):健康運。
各面で、線香3本、ろうそく1本、花輪1つをお供えします。
可能であれば膝をついて手を合わせるのが、より丁寧なスタイルです。
恋愛の願いを叶えるコツ:神様に「自己紹介」を忘れずに
神様には、まず自分を知ってもらうことから始めましょう。
「どこの誰が、何を願っているのか」を明確に伝えるのがコツです。
伝える順番のイメージ:
「私は〇〇(名前)です。××(住所)から来ました。生年月日は△△です。いつまでに、□□(具体的な願い)を叶えたいです。もし叶ったら、お礼に◎◎(タイ舞踊など)を奉納します」
漠然とした願いよりも、「今年の春までに」といった具体的な期限を添えると、自分自身の気持ちも引き締まりますよ。
なぜ「夜の参拝」が恋愛成就に効くと噂されるのか
夜のエラワン廟は、昼間とは打って変わって幻想的なムードに包まれます。
特に木曜日の夜21時30分頃は、「愛の神様」が降りてくる時間として知られ、隣のトリムルティ廟と合わせて参拝する若者が後を絶ちません。
「夜にお参りして、数ヶ月後に運命の出会いがあった」といった口コミも多く、都会の夜景の中に浮かび上がる黄金の神様に祈る時間は、心に深く刻まれるはずです。
タイ舞踊の奉納とお礼参り

「約束」を守るのがタイ流の作法
エラワン廟でのお参りにおいて、最も大切と言っても過言ではないのが「お礼参り(タム・ゲー・ボン)」です。
タイの人々にとって、神様に願いを聞いてもらうことは「契約」のようなものです。
参拝時に「願いが叶ったら〇〇をします」と誓った約束を果たすことは、信仰における誠実さの証です。
現地では
「約束を忘れると、せっかく叶った運気が逃げてしまう」
とか
「神様がお叱りにくる」
なんて少し怖い言い伝えも耳にします。
それだけ「感謝を伝えること」を重んじている文化なんですね。
もし日本に帰国してから願いが叶ったなら、ぜひ次回のバンコク旅行の最優先事項に「エラワン廟への再訪」をリストアップしてください。
伝統舞踊(タイダンス)で感謝を伝える
願いが叶った報告として、最もポピュラーで華やかな方法が「タイ伝統舞踊の奉納」です。
境内の隅に、常に煌びやかな衣装を纏った舞踏団が控えているのを見たことがありませんか?
彼らは、参拝者に代わって神様へ感謝の舞を捧げるプロフェッショナルなんです。
奉納の申し込みステップ:
- 受付へ行く: 境内の奥(神像に向かって右手側)にある、青いカウンターの受付へ向かいます。
- 人数を選ぶ: 何人のダンサーに踊ってもらうかを伝えます。
- 名前を伝える: 自分の名前(アルファベットでOK)を用紙に記入します。これは踊りの最中に、歌い手があなたの名前を神様に告げるためです。
- お会計: 料金を支払い、番号札をもらって順番を待ちます。
料金の目安(2026年現在の目安):
- 2名: 約260〜300バーツ
- 4名: 約360〜400バーツ
- 6名: 約610バーツ
- 8名: 約710バーツ※人数が増えるほど豪華で見応えがありますが、2名からでも十分真心は伝わります。
奉納中の過ごし方とマナー
自分の番が来たら、ダンサーたちの正面にあるカーペットの上に、神様に向かって立てひざをついて座ります(靴は脱がなくて大丈夫な場合がほとんどです)。
舞が始まると、独特なタイ音楽に合わせて歌い手があなたの名前を詠み上げます。
その間、約1分ほどの短い時間ですが、神様を真っ直ぐ見つめて
「あの時の願いを叶えてくれてありがとうございます」
と、心の中でしっかりと感謝を伝えてください。
繁華街の喧騒の中で、自分のためだけに捧げられる舞を眺める時間は、他では味わえないほど神聖で、胸が熱くなるような体験になるはずです。
踊り以外のお礼の方法
事前の誓約で「お花を捧げる」と約束した場合は、通常より豪華な花輪を供えるだけでもOKです。
また、エラワン(象)にちなんで、象の木彫りを寄進する方も多く見られます。
大切なのは、「自分が神様と何を約束したか」を忘れず、その約束を果たすことです。
その誠実さが、さらなる幸運を引き寄せる鍵になりますよ。
エラワン廟参拝のおすすめの服装とマナー

街中のオアシスだけど、ここは「神様のお家」
エラワン廟は、バンコクで一番おしゃれなエリアにあるので、ついショッピングのついでに立ち寄りたくなりますよね。
タイの王宮ほど「絶対ダメ!」という厳しいチェックがあるわけではありませんが、ここは現地の方々が人生の節目に訪れる、とても神聖な場所です。
「神様のお家にお邪魔する」という気持ちで、少しだけ服装に気をつかうと、お参りする時の心の持ちようも変わってきますよ。
- 避けたほうがいいもの:
肩がガッツリ出るノースリーブ、目のやり場に困るような短いショートパンツ、ミニスカートです。
神様と対面する時に「ちょっと気まずいかな?」と思う服装は控えるのがベターです。 - 「失敗した!」と思った時の救世主:
もしその日の格好が少し露出多めだったら、大判のストールを1枚持っておくと本当に便利です。
参拝の時だけパッと肩に羽織ったり、腰に巻いてロングスカート風にしたりできます。
これ、日差しよけや冷房対策にもなるので、バンコク旅の必須アイテムです。
現地で焦らないための「ちょっとしたコツ」
お参りをしている最中に
「あれ、どうすればいいの?」
と迷わないための、私なりのアドバイスです。
- 線香の「火」は周りを見て判断
以前はモクモクと煙を立ててお参りしていましたが、最近は環境への配慮で「火をつけない」ことが増えています。
売店のおばちゃんに「火はダメよ(No Fire)」と言われたら、そのままお供えしてOKです。
大切なのは火の強さではなく、あなたの願いの強さですから。 - 足元と荷物にご用心
熱心にお祈りしている最中って、意外と無防備になりがちです。
バッグは抱え込むように前に持ちましょう。
また、お供えの聖水で床が濡れていることもあるので、サンダルの方は滑らないように一歩ずつゆっくり歩いてくださいね。 - 写真は「お裾分け」の気持ちで
黄金に輝く神様は、思わずカメラを向けたくなる美しさです。
でも、目の前で必死に涙を流して祈っている方もいらっしゃいます。
そんな時は少し距離を置いて、「この素敵なパワーをお裾分けしてもらう」くらいの控えめな距離感で撮影するのが、大人のマナーです。
あわせて巡りたいラチャプラソン地区のパワースポット

実はエラワン廟の周りには、「8つの祠(エイト・シュラインズ)」と呼ばれる聖域が点在しています。
せっかくなら、徒歩数分で行ける「神様のはしご」をしてみませんか?
恋愛の最終兵器!トリムルティ廟(TRIMURTI SHRINE)
セントラルワールドのすぐ横にある、タイで一番有名な「恋愛の神様」です。
エラワン廟で全体の運気を整えたら、ここでお目当てのあの人とのことを詳しくお願いしましょう。
- ここだけの話:
参拝には9本の赤いバラが必須アイテムです。
特に木曜日の夜21:30は「神様が降りてくるゴールデンタイム」と言われ、恋する若者たちで真っ赤なバラの海が広がります。
その熱気を感じるだけでも、恋のモチベーションが上がること間違いなしです!
困った時の神頼みなら!ガネーシャ像(GANESH SHRINE)
トリムルティ廟のすぐ隣に座っているのが、象の頭をしたガネーシャ神です。
- 私のお気に入りポイント:
ガネーシャは「障害を取り除いてくれる神様」です。
仕事の悩みや、「これから新しいことを始めたい!」という時の心強い味方です。
商売繁盛にも強いので、自分のキャリアを応援してもらう気持ちで手を合わせてみてください。
参拝後は、涼しい場所で「自分へのご褒美」
神様とお話しして少し疲れたら、すぐそばのショッピングモールへ逃げ込みましょう。
- ゲイソンヴィレッジ(Gaysorn Village):
エラワン廟から直結。ここはラグジュアリーで静かなので、落ち着いてお茶をしたい時にぴったりです。
実はここの上層階にも「幸福の女神」が祀られているので、まさにパワースポットの宝庫です。 - セントラルワールド:
とにかく広い!何でも揃う!参拝の後に美味しいタイ料理を食べて、自分自身にも「お疲れ様」のご褒美をあげてくださいね。
まとめ
エラワン廟は、単なる「観光スポット」という言葉では片付けられない、不思議な熱量を持った場所です。
高層ビルがそびえ立ち、車が激しく行き交う都会の真ん中で、そこだけが別の時間が流れているような感覚です。
黄金の神様の前でそっと目を閉じ、線香の香りに包まれていると、不思議と心がスッと軽くなっていくのを感じるはずです。
「ただの観光」として立ち寄るのも良いですが、今回ご紹介したマナーや作法を少し意識して、神様と一対一で向き合ってみてください。
そうして丁寧に捧げた祈りは、きっとあなたの旅をより深いものにしてくれます。
バンコクを訪れる機会があれば、ぜひエラワン廟に足を運んでみてください。
手を合わせたあとのあの清々しい気持ちは、きっと忘れられない旅の記憶になるはずです。
あなたの願いが、タイの青い空に届いて、素敵な花を咲かせますように!