バンコクを旅していると、スクンビット通りの車窓から突然、巨大な象の姿が目に飛び込んでくることがあります。
「なんだあれは…!?」と思わず二度見してしまうほどのインパクト。
私が初めてその姿を見た瞬間、頭の中に一つの疑問が浮かびました。
「あの場所、絶対に行かなきゃいけない」と。
そこが今回ご紹介する「エラワン博物館(エラワン・ミュージアム)」です。
バンコク市内から少し南に足を延ばすだけでたどり着けるこの場所は、SNSで何度も話題になるほどの絶景スポット。
でも実際には、「どうやって行くの?」「入場料はいくら?」「何が見られるの?」といった疑問を持つ人も多いと思います。
そこでこの記事では、エラワン博物館の基本情報から行き方、入場料の割引情報、お土産、そして見どころまでを、私の実体験も交えながらたっぷりご紹介していきますね。
エラワン博物館とは?

巨大な三本頭の象がシンボルの美術館
エラワン博物館(英:The Erawan Museum/タイ語:พิพิธภัณฑ์ช้างเอราวัณ)は、バンコクの隣県・サムットプラカーン県に位置する宗教美術館です。
2003年に一般公開されましたが、その完成には実に10年もの歳月がかかったと言われています。
なんとも気が遠くなるような話ですよね。
この博物館の最大の特徴は、なんといっても敷地内にそびえ立つ「三本頭の巨大な象」。
象の名称が「エラワン(Airavata)」で、インドやタイのヒンドゥー神話・仏教神話に登場するインドラ神の乗り物とされています。
天候をつかさどるインドラ神を天と地の間を行き来させ、地球に雨をもたらす役割を果たすと伝えられている神聖な存在です。
この象、ただデカいだけじゃないんです。
象の像だけで高さ29メートル、台座となっている建物が14.6メートルで、合計43.6メートル。
14〜15階建てのビルと同じくらいの高さがあります。
近くで見ると、その圧倒的なスケール感に言葉を失うと思いますよ。
創設者が込めた「三界思想」の宇宙観
この博物館を作ったのは、タイの著名な実業家であり文化財コレクターだった「レック・ウィリヤパン氏」(英:Lek Viriyaphan)という人物です。
氏はこの博物館のほかに、タイ全土の遺跡や建築物をミニチュアで再現した世界最大の屋外博物館「ムアン・ボーラン(エンシェント・シティ)」や、パタヤの「サンクチュアリ・オブ・トゥルース」も手がけています。
「タイが誇るぶっとんだ建築物」を次々に生み出した、まさに異才の人物ですね。
エラワン博物館の館内は、タイ仏教の世界観「トライプームミカータ(三界思想)」に基づいた三層構造になっています。
三界思想とは、「地界・人間界・天界」という三つの世界が宇宙を構成しているという考え方です。
簡単に言うと、下が「地下・過去」、中間が「現在の人間世界」、上が「天国・宇宙」というイメージですね。
建物全体がその宇宙観を表現した巨大なアート作品になっているわけです。
エラワン博物館への行き方

BTSでの行き方
エラワン博物館の最寄り駅は、BTSスクンビット線「チャーンエラワン(Chang Erawan)駅」(E17) です。
駅の名前に「エラワン」が入っているので、覚えやすいですね。
バンコクの中心部・サイアム駅からだと、電車で約45分、料金は62バーツ程度が目安です。
チャーンエラワン駅の1番出口を降りたら、あとは道なりに直進するだけ。
約650〜800メートルほど歩くと、右手にエラワン博物館が見えてきます。
所要時間は約10分といったところです。
ただし、一点だけ注意したいことがあります。
道中の歩道はかなりボコボコしているところもあって、足元に気をつけながら歩く必要があります。
暑い日は日陰がほぼないので、熱中症対策として水分をしっかり持っていくのがおすすめです。
駅に到着した時点で遠くに巨大な象が見えるので、迷うことはほぼないでしょう。
タクシーでの行き方
「歩くのは暑いし面倒くさい」という方には、Grabを使うのも賢い選択です。
Grabはタイで広く使われている配車アプリで、あらかじめ金額が確定してから乗れるので安心。
バンコク市内のホテルからなら30〜40分程度、料金は高速道路を使って200〜300バーツ前後が目安です(高速料金の20バーツ程度は別途現金払いになる場合もあります)。
また、チャーンエラワンの一駅手前「プーチャオ(Pu Chao)駅」でGrabやタクシーを拾う方法もあります。
プーチャオ駅からだと、チャーンエラワン駅側のルートのように道路をUターンしなくても、スムーズに博物館の入口に横付けできるとの情報もありますよ。
※Grabアプリについて詳しくはこちらの記事をご覧ください ☟
路線バスでの行き方
実はエラワン博物館は、バンコク市内から路線バスでもアクセスできます。
チャーンエラワン駅の2番出口すぐのバス停から、25番・102番・142番・507番・508番・511番・536番などのバスが利用できます。
路線バスの料金は片道15バーツと格安です。
バスを降りたら歩道橋を渡ればすぐに到着します。
タイのバスに慣れている方や、のんびり旅を楽しみたい方には特におすすめのアクセス方法です。
入場料とチケットのお得な購入情報

当日券の通常料金
エラワン博物館の当日窓口での入場料は、執筆時点の情報では以下の通りです。
| 区分 | 料金 |
| 大人(15歳以上) | 500バーツ |
| 子供(6〜14歳) | 250バーツ |
| 5歳以下 | 無料 |
ただし、料金が改定されている可能性もあります。
訪問前には必ず公式サイトや現地情報を確認することをおすすめします。
オンライン予約で割引チケットを入手する方法
「当日窓口で定価を払うのはもったいない!」という方には、オンライン事前購入が絶対おすすめです。
主要な旅行アクティビティサイトで割引チケットが購入できます。
- KKday:通常より約500円ほど安く購入できます。最安値で約1,020円程度。
- Klook:大人280バーツ程度で購入可能(通常400バーツより安い)。
- Headout:2026年1月時点で248バーツ程度という情報も。
- 楽天トラベル:楽天ポイントを貯める・使うことができます。
チケットはQRコード形式で、予約後すぐにスマートフォンに届きます。
現地では「TOUR AGENTS」と書かれた窓口(入場ゲートを入って右手の建物)でQRコードを見せると、紙のチケットに交換してもらえます。
ムアンボーラン(エンシェントシティ)との共通割引セット券
エラワン博物館と同じ系列の観光施設「ムアンボーラン(エンシェント・シティ)」は、車で15〜20分程度の近さにあります。
ムアンボーランはタイ全土の有名な遺跡や建築物のレプリカを120軒以上そろえた世界最大の屋外博物館で、これまた圧巻のスポットです。
KKdayではエラワン博物館とムアンボーランの2カ所をセットで購入できる割引券があります。
2カ所の通常合計金額が約4,200円程度のところ、セットなら約2,100円程度という情報があります。
つまり約2,000円もお得になる計算です。
バンコク滞在中に1日を使って両方巡るプランを立てる場合は、ぜひ検討してみてください。
エラワン博物館の所要時間

サクッと外観とメインホールを回る場合
「象の写真を撮って、メインのステンドグラスだけ見られればいい」という方なら、約1時間あれば見どころを押さえられます。
外観の撮影、象内部の人間界層と最上階、そして庭園をサクッと回るイメージです。
庭園散策やお参りを含めてじっくり観光する場合
庭園を丁寧に散策したり、10カ所ある巡礼スポットをすべて周ったり、地下のスワンナブミ層も見学するとなると、1〜2時間はかかります。
私が実際に全フロア+庭園+お参りを全部こなそうとしたときは、気づいたら2時間近くたっていました。
それくらい見どころが多くて飽きないんです。
混雑が予想される曜日とおすすめの訪問時間帯
週末の午後は地元のタイの人々も多く訪れるため、混雑することがあります。
館内のらせん階段などは人が密集すると写真を撮りにくくなることも。
平日の午前中(開館直後の9時〜11時頃)に訪れると、比較的すいていてゆっくりと美しい空間を楽しめます。
特に写真を撮りたい方には、平日午前を強くおすすめします。
エラワン博物館の見どころ

人間界(Human Earth)層:豪華な装飾と世界地図のステンドグラス
象の台座部分にあたるメインホールに入ると、まず天井を見上げずにはいられません。
そこには色鮮やかな巨大なステンドグラスが広がっています。
これはドイツ人アーティストのヤコブ・シュワルコプト氏が手がけた傑作で、「地球」をテーマにしています。
使われている色はたった4色だけ。
黄色=土、白=風、赤=火、青=水と、地球を構成する4つの元素を表現しています。
外側には12の星座も描かれており、星が人間の生活に与える影響の大きさも表現しているそうです。
全体の形は世界地図をモチーフにしているとも言われています。
壁面や柱には東洋と西洋の芸術が絶妙に融合した装飾が施されていて、タイの伝統的なベンジャロン技法(多色の陶器釉薬の技法)も随所に取り入れられています。
正面の階段を上ると、エラワン象に乗ったインドラ神の像もまつられています。
どの角度から見ても絵になる、まさに芸術空間という表現がぴったりです。
宇宙(Cosmos・天界)層:象の胎内に広がる神秘的な青い空間
らせん階段またはエレベーターを使って象の内部・最上階へと登ると、そこには息をのむような空間が広がっています。
天井一面に広がるのは、深い青で描かれた宇宙の絵。
太陽と8つの惑星、天の川、さらには小惑星まで細かく描かれています。
これは「私たち人間は、広大な宇宙の中のほんの小さな塵に過ぎない」という仏教的な教えを表現しているそうです。
正面に鎮座しているのは、スコータイ王朝時代の様式を再現した「仏陀遊行像(ぶっだゆぎょうぞう)」。
お釈迦様の足跡も展示されています。
壁沿いにはアユタヤ王朝時代やロッブリー時代など、異なる時代様式の仏像も並んでいて、圧巻の眺めです。
この場所に立ったとき、私は思わず「うわ…」と声が漏れました。
荘厳な音楽(お経)が静かに流れる中、お祈りをする人、瞑想をする人の姿があって、不思議と心が落ち着くんです。
派手な空間なのに、芯のところに静けさがある。
そのギャップが何とも言えない魅力だと思います。
なお、最上階の仏像の横に並んでいる仏像は撮影NGとなっている場合があります。
係員の指示に従いましょう。
スワンナブミ(Suvarnabhumi)層(地下):貴重な骨董品や磁器のコレクション
象の足元近く、蓮の花を流す池のそばに地下への入口があります。
ここが「スワンナブミ(黄金の地)層」と呼ばれるエリアです。
創設者レック・ウィリヤパン氏が生涯をかけて収集した美術品や骨董品が展示されています。
タイのスコータイ時代を代表する「サンカローク焼き」や、色鮮やかな多彩色陶器の「ベンジャロン焼き」など、歴史的価値の高いコレクションが並んでいます。
また、ムアンボーランやサンクチュアリ・オブ・トゥルースの縮小模型もここで見られます。
注意したいのは、この地下フロアは撮影禁止になっている点です。
目に焼き付けることだけに集中できる、ある意味でぜいたくな時間が過ごせますよ。
庭園の巡礼スポットと象のおなかくぐり
館内だけでなく、庭園にも多くの見どころがあります。
庭園は古代神話に登場する「ヒンマヤの森」をイメージして作られており、神話上の動物の像が点在しています。
庭園内には10カ所の巡礼スポットが設けられています。
- プラケート・チュラマニー・ジェディ(仏塔):生まれた曜日の仏像の前でお参りすると人生に幸運が訪れるとされています。
- ブラフマー:4つの顔と4つの手を持つ創造の神。さまざまな事柄への成功と人生の豊かさをもたらすとされています。
- ビシュヌポン象:富と権力をもたらすとされる象。象の下をくぐると運が開けるとも。
- トリムルティ:シヴァ・ビシュヌ・ブラフマーの三位一体の神。タイでは最強の恋愛成就の神として有名です。
- シヴァポン象:健康運・仕事運・権力をもたらすとされています。
- ガネーシャ:象の頭を持つシヴァ神の子。障害を取り除き、財運・学業・商売繁盛のご利益があります。
- 観音菩薩:無病息災のご利益。人の苦しみに寄り添う神様として知られています。
- エラワン象に乗ったインドラ神:天の守護神。善良な人々に悪と戦う力を与えてくれるとされています。
- ブラフマポン象:技術と知識をもたらし富を得ることができるとされています。
- 宇宙(天国)の階:最上階そのものが10番目の巡礼スポットです。
また、庭園には象のおなかの下をくぐれるスポットもあります。
くぐることで「多くの障害や問題を回避できる」「妊婦は出産が楽になる」というご利益があると言われています。
見つけたら、ぜひ試してみてください。
お参りの方法と参拝時の服装マナー

タイ式の参拝手順
エラワン博物館は、観光スポットであると同時に本格的な参拝地でもあります。
入場ゲートを入ってすぐ右手にあるカウンターで、お供えセット(花輪・お線香・蓮の花)を受け取ることができます。
このセットは基本的に無料ですが、タンブン(徳を積む善行・お布施)として任意で寄付もできます。
さらに99バーツで追加のお供え物セットも購入できます。
このセットには、神様ごとにどんな願いが叶うのか・何をお供えすればいいのかが看板で説明されています。
金運、健康、成功(仕事・学業)の3種類から選べるのでわかりやすいですよ。
参拝の手順はこんな感じです。
- お線香に火をつけ、花輪と一緒に両手で挟んで持つ。
- 神様の像や仏像に向かって手を合わせ、心を込めてお祈りをする。
- 花輪とお線香を所定の場所にお供えする。
- 蓮の花は象の近くの池に流す。
周りのタイの人々の作法を参考にしながらお参りするのが一番わかりやすいと思います。
私は最初、どうお参りすればいいか戸惑いましたが、周囲の動きを見ているうちに自然とまねできました。
服装マナーと注意事項
エラワン博物館は博物館兼宗教施設なので、象の内部に入る際は服装規定があります。
NGな服装は以下の通りです。
- ノースリーブ・タンクトップ(肩が出るもの)
- ショートパンツ・ミニスカート(膝が出るもの)
- キャミソール・へそ出しスタイル
- ダメージジーンズ(肌が大きく出ているもの)
庭園エリアは問題なくても、象の内部に入るときはルールが適用されます。
万が一規定外の服装で来てしまっても安心してください。
サロン(腰布)の貸し出しサービスがあるので、入口で借りることができます。
バンコクの暑い時期はノースリーブやショートパンツで歩き回ることが多いですよね。
そんなときのために、軽いカーディガンや大判のストールを1枚バッグに入れておくと重宝しますよ。
おすすめのお土産と館内グルメ

象モチーフの雑貨や置物がそろうギフトショップ
エラワン博物館内にはギフトショップがあり、旅の記念になるお土産がいろいろとそろっています。
一番人気と思われるのが「エラワン象の置物」。
木製のもの・金属製のものなどサイズも素材もさまざまで、値段帯も手頃なものから本格的なコレクター向けまで幅広いです。
私はついつい吸い寄せられるように購入してしまいました。
他にも、エラワン博物館のオリジナルマグカップ、エラワン象のメダル(金色)、博物館のカタログ写真集、タイ雑貨などが並んでいます。
チャトチャック市場などで見かけるようなタイらしい小物も取り扱っているようです。
友人や家族へのお土産選びにも楽しい時間を過ごせると思いますよ。
※タイのお土産について詳しくはこちらの記事をご覧ください ☟
休憩にぴったりの売店・カフェ
観光のあとは、入場ゲート付近にある売店やカフェでひと息つきましょう。
暑いタイで歩き回ったあとの一休みは格別です。
売店では、飲み物・アイスクリーム・お菓子などが購入できます。
ちなみに、ここで売っているシンプルなアイスクリームがなかなか美味しいという話もあります。
カフェや屋台では軽食も食べられます。
タイの定番麺料理「クイッティアオ」や「パッタイ」などの屋台が出ていることもあります。
ナチュラルな現地グルメが楽しめるのも、エラワン博物館ならではの体験ですね。
またココナッツジュース(60バーツ程度)や、タイティーとコーヒーをミックスした「チャーカフェー」などのドリンクも人気があります。
館内は基本的に冷房がない所が多いので(らせん階段付近など一部にはあります)、水分補給を忘れずに。
なお、館内の象の内部(建物内)への飲み物の持ち込みは禁止されています。
入口で係員に預けるよう指示されるので、グループで来た場合は袋にまとめて預けるなど工夫してみてください。
まとめ
エラワン博物館は、インスタ映えスポットとしてだけでなく、タイの宗教・文化・芸術が凝縮した本格的な体験ができる場所です。
巨大な三本頭の象の圧倒的な存在感に始まり、世界地図のステンドグラスが輝く人間界層、宇宙をテーマにした神秘的な最上階、そして10カ所の巡礼スポットを巡る庭園散策。
それぞれに違った感動があって、1回訪れただけでは物足りないと感じる人も多いと思います。
アクセスもBTS一本で行けるので、バンコク観光の合間にサクッと訪問できます。
入場料は事前にKlookやKKdayなどでオンライン購入しておくと、数百円〜数千円の節約になるので活用してみてください。
「バンコク観光はとりあえずワット・プラケオに行った」という方、次のバンコク旅行ではぜひエラワン博物館にも足を運んでみてください。
きっとタイの新しい一面に出会えるはずです。