タイと聞くと、「一年中暑い国」というイメージを持つ人が多いと思います。
私自身初めてタイを訪れたときは、「常夏だから、いつ行っても同じ気候なんだろう」と思っていました。
しかし実際に暮らしてみると、気温や湿度、街の雰囲気まで、季節ごとに大きく変わるのがタイ・バンコクの面白さです。
乾季のカラッとした爽やかさ、雨季のしっとりとした空気、そして一年で最も暑い時期のエネルギッシュな街の様子。
それぞれに違った魅力があります。
今回は、バンコク旅行のベストシーズンはいつなのか、旅行費用が安い時期とタイの雨期・乾季についてお話しします。
これからバンコク旅行を計画している方も、「次は違う季節に行ってみたい」と思っているリピーターの方も、ぜひ参考にしてみてください。
バンコクの季節と旅行のベストシーズン

バンコクには日本のような四季はありませんが、はっきりとした3つの季節があります。
「乾季(11〜2月)」「暑季(3〜5月)」「雨季(6〜10月)」です。
それぞれの季節に特徴があり、訪れる時期によって全く違う楽しみ方ができます。
乾季(11月〜2月)
乾季は、
一年の中で最も過ごしやすい季節
です。
平均気温は26〜29℃ほどで、湿度も低く、晴れの日が続きます。
この時期のバンコクは青空がまぶしく、どこに行っても爽やかな風が吹いています。
街歩きや寺院巡り、リバーサイドでの食事など、屋外での時間がとにかく気持ちがいいです。
私もこの季節が一番好きで、朝からカフェ巡りをしたり、公園でのんびり過ごしたりします。
日によっては「ちょっと涼しいな」と感じることもあり、夜は半袖の上に薄手の羽織が欲しくなる日もあります。
ただ日本人からすると「初夏のように快適」という感覚です。
面白いのは、タイではこの時期を「winter season(冬)」と呼ぶこと。
タイ人の友人たちは「寒い!」と言ってダウンを着ていたりして、「え、これで冬!?」と最初は驚きました。笑
ちなみに12月〜2月は、乾季の中でも特に人気の時期。
気候が安定していて、雨がほとんど降らないため、観光にはまさにベストです。
日本の冬とは真逆の“常夏のクリスマス”を体験できる貴重な時期でもあります。
街はイルミネーションで華やかになり、ショッピングモールには大きなツリーが登場します。
私は真夏の格好でクリスマスソングを聞きながら買い物をしたとき、なんとも言えない不思議な気分になりました。
この時期に訪れると、「バンコクってこんなに快適なんだ」と驚く方が多いと思います。
暑季(3月〜5月)
3月に入ると、空気が一気に変わります。
太陽がじりじりと照りつけ、街全体が熱気に包まれる。
これが
一年で最も暑い季節、暑季
です。
平均気温は30〜35℃ほどですが、日中は40℃近くまで上がる日もあります。
外を数分歩くだけで汗が流れるような暑さで、日傘や帽子、水分補給は欠かせません。
私も初めて暑季のバンコクを経験したときは、「これが本当の南国なんだ…」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。
暑季の一番のイベントといえば、
4月のソンクラーン(水かけ祭り)
です。
これはタイの旧正月で、バンコク中が巨大な水遊び会場になります。
通りでは子どもから大人まで水鉄砲を持って笑い合い、観光客もみんなずぶ濡れ。
暑さを忘れてはしゃげる最高のイベントで、これをきっかけに暑季が好きになる人も多いです。
ただ、日差しが非常に強く、昼間は出歩くのが大変。
地元の人たちは日中を避け、涼しくなる夕方以降に活動することが多いです。
観光するなら午前中の早い時間か、夕方以降がおすすめです。
雨季(6月〜10月)
6月頃からは、徐々に雨の季節がやってきます。
バンコクの雨季は、
スコールと呼ばれる激しい雨
がほぼ毎日のように降る時期です。
ただし、日本の梅雨のように一日中降るわけではなく、午後や夕方に30分から1時間ほどザーッと降って、その後はカラッと晴れる日も多いです。
ただし、雨季には注意点もあります。
バンコクは排水があまり良くない地域が多く、ひどいスコールのあとは道路が冠水することがあります。
また特に夕方のラッシュアワーと重なると、渋滞がひどくなります。
雨が降りそうなときは、無理せず時間に余裕をもって移動するのが安全です。
この時期は曇りの日が多いので日差しは弱まりますが、湿度はかなり高め。
空気が重たく感じる日もありますが、緑が生き生きしていて、公園やお寺の木々が一層鮮やかに見えるのもこの季節の魅力です。
そして、夕暮れ時には美しい虹が出ることも。
スコールのあと、オレンジ色の空にかかる虹を見たときは、思わず立ち止まって見入ってしまいました。
バンコクには「乾季・暑季・雨季」という3つの季節があり、それぞれの時期に違った魅力があります。
どの季節も南国らしいエネルギーに満ちていますが、
観光を思いきり楽しみたいなら乾季(11〜2月)が断然おすすめ
です。
気候が安定していて、雨がほとんど降らないため、観光にはまさにベストです。
バンコク旅行が安い時期

バンコク旅行の費用がグッと下がるのは、雨季である6月〜10月頃。
いわゆる
“ローシーズン”
と呼ばれる時期です。
この時期は観光客が減るため、航空券もホテルも値段が下がります。
私は以前、10月に旅行をしたことがありますが、同じホテルでも乾季の1月と比べて宿泊費が半分ほどでした。
航空券も含めて、全体の旅費が20〜30%ほど安く済んだのを覚えています。
しかもこの時期は、街全体が少し静か。
人気の寺院やマーケットも人が少なく、普段よりもゆっくり見て回れるのが魅力です。
バンコクは観光客で常ににぎわっているイメージがありますが、
ローシーズンは地元の日常に溶け込むような感覚があります。
ローシーズンの最大の魅力は、
コスパの良さと静けさ
です。
観光地を効率よく回るのもいいですが、私は“ゆっくり滞在する旅”をおすすめします。
例えば午前中に寺院を巡り、午後はカフェやマッサージでのんびり過ごす。
スコールが来ても、カフェに避難して雨音を聞きながらコーヒーを飲む。
そんな過ごし方も、バンコクらしくてすてきです。
また、ローシーズンはショッピング派にもおすすめ。
バンコクには「セントラルワールド」や「アイコンサイアム」など巨大なショッピングモールが多く、雨の日でも快適に楽しめます。
モール内は冷房がしっかり効いていて、飲食店も充実しています。
観光の合間に立ち寄るだけで、1日過ごせてしまうほどです。
また、地方のリゾート地では雨季に合わせて一部のツアーが休業する場合がありますが、バンコク市内は基本的に年中楽しめるので心配ありません。
むしろ観光地が空いていて、写真も撮りやすく、現地の人との交流も生まれやすい印象です。
私は人混みを避けて静かに旅したいときは、あえてこの時期を選んでいます。
“安い時期=我慢の季節”ではなく、“自分のペースで楽しめる季節”。
それが、バンコクのローシーズンだと思います。
バンコク旅行のおすすめ服装

年間を通して高温多湿のバンコクでは、基本的に
「日本の真夏の服装」
をイメージすれば問題ありません。
ただし、現地ならではの気候差やマナー、施設ごとの服装ルールを踏まえて準備しておくと、快適さがぐっと変わります。
ここでは、季節を問わず役立つ服装のポイントと、シーン別のおすすめスタイルを紹介します。
バンコク観光に最適な服装の基本
バンコクの気温は年間を通じて30℃前後。
日中は強い日差しが照りつけ、特に屋外では汗をかきやすい環境です。
そのため、通気性がよく速乾性のある素材を選ぶのがポイントです。
Tシャツやタンクトップ、薄手のブラウスなどが便利で、ボトムスはショートパンツや膝丈スカート、ワイドパンツなどの軽装でOK。
ただし、冷房対策やマナー対策として羽織ものを1枚持っておくと安心です。
冷房が効きすぎている場所(ショッピングモール、BTSなど)では、長袖のカーディガンやストールが重宝します。
乾季(11〜2月頃)の朝晩は意外と涼しくなることもあるため、軽いジャケットを1枚用意しておきましょう。
シーン別のおすすめコーディネート
- 街歩き・観光
観光地巡りや街歩きがメインの日は、動きやすさと通気性を重視しましょう。
・半袖Tシャツまたはタンクトップ
・リネン素材のパンツやスカート
・歩きやすいスニーカーまたはストラップ付きサンダル
バンコクの道路は日本のようにきれいに舗装されていない場所もあり、
ヒールや厚底靴は危険
です。
段差や凸凹の多い道では、スニーカーが安心。
日中は汗をかくため、通気性のよい靴を選ぶと快適に歩けます。
また、観光中に突然のスコールに見舞われることも珍しくありません。
折りたたみ傘や薄手のレインコートを携帯しておくと便利です。
最近ではUVカット機能付きの傘も多く、日傘としても活用できます。 - 寺院参拝
バンコクの観光で欠かせないのが寺院巡り。
しかし、
寺院では服装マナーが厳しく、肌の露出が多いと入場を断られる
ことがあります。
特にNGとされるのは次のような服装です。
・ノースリーブ、キャミソール
・ショートパンツやミニスカート
・胸元が大きく開いた服
・透け感のある素材
寺院を訪れる際は、肩と膝が隠れる服装を意識しましょう。
Tシャツにロングスカート、または七分丈パンツなどが理想的です。
上着を羽織るのが難しい場合は、大判のストールを持参しておけば簡単に対応できます。
観光地によってはその場で羽織物をレンタルできる場所もありますが、有料だったり衛生面が気になることもあるため、自分で用意しておくのがベストです。 - レストラン・ルーフトップバーなど夜のお出かけ
バンコクの夜は、洗練されたレストランやおしゃれなルーフトップバーなど、少しドレスアップして出かけたい場所も多いです。
ただし、
一部の高級店ではドレスコードがあり、カジュアルすぎる服装では入店を断られる
ことも。
特に次のような服装は避けましょう。
・男性のハーフパンツ、ビーチサンダル
・女性の露出が多すぎる服
・ダメージジーンズやスポーツウェア
男性は襟付きのシャツにチノパンやローファー、女性はロングワンピースやきれいめのサンダルが好印象。
昼間はラフな格好でも、夜に出かける予定がある日は、ワンピースや薄手の羽織をバッグに入れておくと便利です。 - その他にあると便利な小物
バンコクでは、日差しと突然の雨の両方に備える必要があります。
観光を快適に楽しむために、以下のアイテムを忘れずに持っていきましょう。
・帽子(つば広タイプが理想)
・サングラス
・日焼け止め(こまめに塗り直し推奨)
・折りたたみ傘またはレインコート
・ハンカチや速乾タオル
また、汗をかくことを前提に、吸湿速乾素材のインナーや下着を選ぶのもポイントです。
ホテルで洗ってもすぐ乾くため、荷物を減らすことにもつながります。
また、観光中は汗をかいたり突然の雨に濡れたりすることもあるため、着替えを1セット持ち歩くのもおすすめ。
特に女性の場合は、カフェやモールのトイレでさっと着替えることも可能です。
バンコク旅行の服装は、
「日本の夏+冷房&マナー対策」
を意識するのがポイント。
動きやすく涼しい服を基本に、羽織・帽子・日焼け止めなどの対策をプラスすれば、快適に過ごせます。
一見シンプルに見えるバンコクの気候ですが、朝晩や場所によって意外と環境が変わります。
おしゃれを楽しみながらも、現地の文化に配慮した装いを心がけることで、より心地よく旅を楽しめるはずです。
季節別のおすすめバンコク観光スポット

バンコクは、一年を通してエネルギッシュな魅力にあふれる都市です。
きらびやかな王宮や歴史ある寺院、ローカルな市場、最新のショッピングモール、リバーサイドの夜景まで、訪れるたびに新しい発見があるでしょう。
そんなバンコクでは、季節ごとに街の雰囲気や楽しみ方が少しずつ変わります。
ここでは、乾季・暑季・雨季の3つの季節に分けて、おすすめの観光スポットやイベントを紹介します。
乾季のおすすめ観光スポット
乾季のバンコクは湿度が低く、晴れの日が続くため、観光には最適な季節です。
日中の気温は30℃さんで、どのスポットも活気に満ちています。
王宮・寺院巡り
まず外せないのが、王宮や三大寺院と呼ばれる「ワット・プラケオ」「ワット・ポー」「ワット・アルン」。
エメラルド寺院として知られるワット・プラケオは、タイで最も格式高い寺院。黄金に輝く装飾と荘厳な雰囲気に圧倒されます。
ワット・ポーでは巨大な涅槃(ねはん)仏、ワット・アルンでは夕焼けに映える美しい陶器の塔が見どころ。
乾季の澄んだ空気の中で見る寺院は格別で、写真映えも抜群です。
※ワット・ポーについて詳しくはこちらの記事をご覧ください☟
年末年始のカウントダウン
12月末〜1月初旬は、街全体が華やかなムードに包まれます。
特に人気なのが、「セントラルワールド前広場」や「アジアティーク・ザ・リバーフロント」でのカウントダウンイベント。
音楽ライブや屋外ステージ、そして夜空を彩る大規模な花火が圧巻です。
また、元旦には、タイの人々がお寺でタンブン(お布施)を行う姿が見られ、現地文化を体感する良い機会にもなります。
暑季のおすすめ観光スポット
この時期のバンコクは一年で最も気温が高く、日中は35℃を超えることもあります。
観光には暑さ対策が欠かせませんが、夜風が心地よく、夕方以降のナイトスポット巡りが楽しい季節です。
ナイトマーケット&アジアティーク
昼間は避暑がてらショッピングモールで過ごし、
夕方から夜にかけてナイトマーケットへ出かけるのがおすすめです。
「アジアティーク・ザ・リバーフロント」は、チャオプラヤー川沿いに広がる巨大な複合施設。
観覧車やレストラン、雑貨ショップが並び、16時頃から夜遅くまでにぎわいます。
無料のシャトルボートでアクセスでき、船から眺めるリバーサイドの夜景も見どころです。
※アジアティークについて詳しくはこちらの記事をご覧ください☟
ソンクラーン(水かけ祭り)
4月の最大イベントといえば、タイ全土で開催される「ソンクラーン祭り」。
旧正月を祝うこの行事は、今では世界的に有名な“水かけ祭り”として知られています。
バンコクでは特にカオサン通りやシーロム通りが中心地。
通行人も観光客も関係なく、全員が水鉄砲を手に大はしゃぎします。
街全体が巨大な水遊び会場のようになり、まさにバンコクらしいエネルギーを感じられるイベントです。
夜にはクラブや野外フェス「S2O Songkran Music Festival」も開催され、音楽と水のコラボレーションが楽しめます。
雨季のおすすめ観光スポット
雨季と聞くと観光に不向きな印象を持つかもしれませんが、実際は短時間のスコールが多く、一日中雨が降ることは少ないため、十分楽しめます。
また、この時期は旅行費用が安く、混雑も少ないため、のんびりと街歩きを楽しむにはぴったりです。
マーケット巡り
ローカルな雰囲気を感じたいなら、ぜひ市場へ足を運びましょう。
週末限定の「チャトゥチャック・ウィークエンドマーケット」は、衣類や雑貨、食べ物など1万店以上が並ぶ巨大市場。
スコールが降っても屋根付きエリアが多いので安心です。
また、ボートで行ける「ダムヌンサドゥアック水上マーケット」では、タイらしいローカルな風情を体感できます。
ロイクラトン祭り
雨季の終わり、10〜11月頃に開催される幻想的なイベントが「ロイクラトン祭り」。
満月の夜、人々が感謝の気持ちを込めてクラトン(灯籠)を川に流す、古くからの伝統行事です。
バンコクではチャオプラヤー川沿いを中心に、ルンピニー公園やベンチャシリ公園などの池でも灯籠流しが行われます。
無数の灯りが水面に浮かぶ光景は息をのむ美しさ。
この時期に訪れるなら、川沿いホテルの予約は早めに済ませておくのがおすすめです。
また、どの季節に訪れても楽しめるのが、バンコクの近代的なショッピングエリア。
「サイアム」「シーロム」「スクンビット」は観光客にも人気の3大エリアです。
- サイアム:
最新ファッションが集まる若者の街。サイアムパラゴンやMBKセンターなど大型モールが並び、カフェ巡りにも最適。 - シーロム:
オフィス街でありながら、夜になると屋台やバーでにぎわうエリア。 - スクンビット:
外国人居住者が多く、洗練された雰囲気。高級デパートやおしゃれなレストランが点在。
これらのエリアは交通アクセスも良く、BTS沿線に集中しているため、雨の日でも快適に移動できます。
バンコクは、一年中どの季節に訪れても楽しみ方が変わる都市です。
乾季は観光日和、暑季はお祭りと夜景、雨季はローカル体験や静かな時間を満喫できる季節。
きらびやかな寺院から、熱気があふれるマーケット、幻想的な祭りまで、訪れるたびに新しい魅力を見せてくれます。
気候やイベントの特徴を知っておくことで、旅の計画がよりスムーズに、そして充実したものになるでしょう。
季節に合わせたスタイルで、自分だけの“最高のバンコク体験”を楽しんでください。
バンコク旅行の豆知識

初めてのバンコク旅行を思いきり楽しむためには、現地の文化やマナー、ちょっとした生活習慣を知っておくことが大切です。
日本と似ているようで違うところも多いタイ。
何も知らずに行くと「え、そうだったの!?」と驚くこともあるかもしれません。
ここでは、旅行前に知っておきたい“ちょっと役立つ”バンコクの豆知識を紹介します。
お酒の購入時間に注意!
タイではお酒の販売・飲酒に関する法律が非常に厳格に定められています。
スーパーやコンビニなどでお酒を買える時間帯は 11:00〜14:00 と 17:00〜24:00
のみ。
この時間以外は、観光客であってもお酒の購入はできません。
また、仏教の祝日や選挙日には、終日販売が禁止されることもあります。
旅行中に「夜の乾杯を楽しみにしていたのに買えなかった…」なんてことも起こり得るので、時間帯には要注意です。
さらに、
公園や観光地など公共の場での飲酒は禁止
されています。
バーやレストランでゆっくり楽しむのがマナーです。
なお、タイでは暑い気候のせいもあって酔いが早く回ることもあるので、飲み過ぎには気をつけましょう。
飲み水は必ずペットボトルで
バンコクでは水道水をそのまま飲むことはできません。
現地の人も基本的にペットボトルの水を購入して飲んでいます。
スーパーやコンビニで500mlが 10バーツ前後(約46円) と安く買えるので、常に持ち歩いておくと安心です。
レストランでは無料の水を出してくれることもありますが、衛生面が気になる場合はボトル入りの水を注文するのがベター。
また、氷にも注意が必要です。
大手チェーン店やホテルの氷は安全ですが、屋台などの氷は製氷過程が不明なこともあります。
体調を崩さないためにも、飲料水や氷の扱いには少し慎重になっておきましょう。
ストロー文化に注目!
タイでは、ペットボトル飲料にもストローを刺して飲む人が多いのをご存じでしょうか?
これは衛生面への配慮から生まれた文化。
直接口をつけるより清潔という考え方が一般的です。
街のカフェや屋台でも、ほとんどのドリンクにストローが付いてきます。
近年では環境への意識が高まり、紙ストローや竹ストローを導入するお店も増えてきています。
「ワイ」はタイ流の丁寧なあいさつ
合掌してお辞儀をする“ワイ”は、タイの人々にとってとても大切なあいさつの形です。
ホテルやレストランでスタッフが笑顔とともにワイをしてくれることも多いでしょう。
旅行者がワイを返す必要はありませんが、軽く会釈するだけでも丁寧な印象になります。
また、感謝を伝えるときは、男性なら「コープクンカップ」、女性なら「コープクンカー」と一言添えましょう。
タイの人々は礼儀正しい態度をとても好むので、こうした小さな気遣いが旅をより気持ちよいものにしてくれます。
意外とパクチーは少なめ?
“タイ料理=パクチーたっぷり”というイメージを持つ方も多いですが、実は現地ではそこまで大量には使われません。
パクチーは主に香りづけや彩りのために少量添えられる程度。
日本の「パクチー山盛りメニュー」は、むしろ海外でのイメージから生まれたスタイルです。
苦手な方も「思ったより食べやすい」と感じるはず。
どうしても避けたい場合は、注文時に「マイサイパクチー(パクチー抜きで)」と伝えるとOKです。
チップ文化は“ありがとう”の気持ちで
タイではチップの習慣自体は存在しますが、必ず渡さなければならないものではありません。
あくまで「良いサービスを受けたと感じた時」に渡すのがスマートです。
相場の目安は以下の通りです。
・レストラン:サービス料が含まれていない場合、食事代の10%ほど
・ホテルのポーター:荷物1つにつき20〜50バーツ
・マッサージ店:施術後に50〜100バーツを直接手渡し
・タクシー:お釣りの端数(10バーツ程度)を渡す
小規模な食堂や屋台では不要ですが、少額でもチップを置くと喜ばれることがあります。
特にホテルやスパでは、チップを渡すことでより丁寧な対応を受けられることも。
「ありがとう」の気持ちを形にして伝えるつもりで渡すと良いでしょう。
道路を渡るときは焦らず慎重に
バンコクの街中では交通量が非常に多く、信号や横断歩道が少ない場所も珍しくありません。
車の流れが途切れないように見えても、慣れてくると“渡れるタイミング”が分かるようになります。
ただし旅行者にとっては難しいので、地元の人が渡るタイミングを見て一緒に渡るのが安全です。
慌てず、車の動きをしっかり確認してから横断しましょう。
特にバイクの通行が多いため、左右だけでなく斜め方向にも注意が必要です。
トイレの使い方にもローカルルールあり
高級ホテルや新しい商業施設以外では、トイレ事情にも日本との違いがあります。
まず、トイレットペーパーを流してはいけない場所が多い点に注意。
使用後は備え付けのゴミ箱に捨てるのが一般的です。
また、洋式トイレでも「フタを閉めてはいけない」場合があります。
閉めると「壊れて使えない」というサインになることがあるため、使い終わった後は開けたままにしておきましょう。
観光中はティッシュやウェットシートを持参しておくと安心です。
バンコクは活気と笑顔にあふれる街ですが、文化やマナーの違いを知っておくと、旅の快適さがぐんと上がります。
お酒の販売時間、水の扱い、チップやトイレ事情まで、少しの知識でストレスが大きく減り、より深く現地を楽しむことができます。
「郷に入っては郷に従え」の気持ちで、タイの習慣を尊重しながら過ごせば、きっとすてきな思い出が増えるはずです。
バンコク旅行の注意事項

バンコクでは、文化や宗教観、治安の違いを知らずに行動すると、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
ここでは、
バンコク旅行を安全で快適に過ごすために知っておきたいマナーや注意点
を詳しく解説します。
王室に関するマナーは絶対に守る
タイでは、国民のほとんどが王室を深く敬愛しています。
そのため、王室に関する発言や行動には特に注意が必要です。
公共の場で王室を批判したり、軽んじるような発言をすることは法律で禁じられており、外国人であっても処罰の対象になります。
街のいたるところに国王や王妃の写真が掲げられていますが、写真や肖像画を指さしたり、汚したりする行為は厳禁です。
紙幣にも国王の肖像が描かれているため、落としたお札を足で押さえるなどの行為も無礼とされます。
また、映画館では上映前に国王をたたえる曲が流れ、観客全員が起立して敬意を示すのがマナー。
観光客でも同じように立ち上がり、静かにその時間を過ごしましょう。
宗教に対する敬意を忘れずに
タイは国民の約9割が仏教徒です。
バンコクでも、オレンジ色の袈裟をまとった僧侶の姿をよく見かけます。
彼らは信仰の象徴として非常に尊敬されており、
女性は僧侶に直接触れることが禁止
されています。
混雑した電車やバスなどでは、うっかり体が触れないよう注意しましょう。
寺院を観光する際も、神聖な場所であることを忘れずに。
帽子を脱ぎ、声を落とし、仏像や祭壇に背を向けて写真を撮るのは避けましょう。
また、仏像の頭を触ったり、ふざけてポーズを真似ることも不敬にあたります。
寺院内では裸足になるのが基本です。
靴を脱ぐ場所があるので、スリッパやサンダルを持参すると便利です。
敬意を持って見学すれば、より深くタイ文化を感じられるはずです。
スリ・ひったくり・置き引きに注意!
バンコクは東南アジアの中でも比較的治安が良い都市といわれますが、観光地ではスリや置き引きが多発しています。
特にチャトゥチャック・ウィークエンドマーケット、サイアム地区、MBKセンターなどの人混みは要注意。
バッグは常に体の前に抱え、貴重品はファスナー付きポケットやセキュリティポーチに入れましょう。
リュックを背負ったまま歩くと、知らないうちに開けられることもあります。
また、道路沿いではバイクによるひったくりにも注意。
スマートフォンを片手に歩いたり、カバンを車道側に持つのは避けましょう。
カフェや空港ラウンジでも、席を離れる際は荷物を置きっぱなしにしないこと。
「ちょっとトイレに…」の隙に置き引きに遭うケースが実際にあります。
どんな場面でも
「荷物は常に自分のそばに」
が鉄則です。
観光客を狙う詐欺の手口に注意
人気観光地では、観光客を狙った詐欺も少なくありません。
特に有名なのが「寺院が今日は閉まっている」と声をかけ、別の観光ツアーや高額店へ誘導する手口です。
王宮やワット・ポーなどを訪れる際は、知らない人の言葉を鵜呑みにせず、必ず公式の入口や案内掲示で確認しましょう。
また、「格安ツアー」や「特別割引ショッピング」に誘うタクシーやトゥクトゥクにも要注意。
宝石店やスーツ店で高額商品を買わされるケースもあります。
移動は、Grabなどの配車アプリやホテルが呼んでくれるタクシーを使うのが安全です。
さらに、カタコトの日本語で話しかけてくる人にも警戒を。
親しげに話しかけてくる人の多くは、観光客をターゲットにした商売や詐欺の場合があります。
基本的に「うますぎる話」には裏があると考えて行動しましょう。
タクシー利用時のトラブルを避けるコツ
バンコクのタクシーは便利ですが、トラブルも少なくありません。
代表的なのは「メーターを使わない」「遠回りされる」「料金をふっかけられる」といったケースです。
乗車時は必ず「メーターOK?」と確認し、断られたら別の車を探しましょう。
また、目的地に着く前に不安を感じた場合は、早めに降りる勇気も大切です。
夜間や女性の一人乗車は避け、Grabなどの信頼できる配車アプリを活用するのが安心。
トゥクトゥクを利用する際は、乗る前に料金をはっきり交渉しておくことがトラブル回避のポイントです。
喫煙ルールは非常に厳しい
タイでは喫煙に関する規制が年々強化されており、
公共の場での喫煙は、最大2,000バーツ(約9,200円)の罰金
が科せられます。
ビーチ・公園・駅・観光地の多くは全面禁煙。
喫煙する際は、必ず指定の喫煙所を利用しましょう。
また、
電子たばこや加熱式たばこの所持・使用は禁止
されています。
観光客でも違反すれば拘留や罰金の対象になるため、絶対に持ち込まないようにしましょう。
紙たばこも1人1カートン(200本)までが持ち込み上限です。
屋台グルメは慎重に楽しむ
バンコクの屋台は旅行の大きな楽しみですが、
衛生環境が日本とは異なるため、食あたりには要注意
です。
火がしっかり通ったものを選び、生ものや見た目に不安のある料理は避けましょう。
旅行前に整腸剤や胃腸薬を用意しておくと安心です。
また、氷を入れた飲み物でおなかを壊すケースもあります。
氷が不要な場合は、注文時に「ナムケン・マイアオ(氷はいりません)」と伝えると良いでしょう。
衛生的なチェーン店やフードコートを上手に利用するのも安全に楽しむコツです。
バンコクは、基本的に治安が良く観光しやすい都市ですが、文化や習慣を理解しないまま行動すると、トラブルにつながることもあります。
王室への敬意や宗教への配慮はもちろん、詐欺やスリへの注意、喫煙や飲食のルールを守ることが、安全で快適な旅の第一歩です。
「知っているか知らないか」で旅行の質は大きく変わります。
これらの注意点を押さえておけば、きっと安心してバンコクの魅力を満喫できるはずです。
まとめ
この記事では、バンコクの季節ごとの特徴から、旅行のベストシーズンや安い時期、おすすめの服装、季節別の観光スポット、そして旅行中の注意点まで詳しく紹介してきました。
一見「一年中暑い」と思われがちなタイですが、実際は乾季・雨季・暑季によって街の表情や楽しみ方が大きく変わります。
訪れる時期を意識するだけで、同じバンコクでもまったく違う魅力を発見できるでしょう。
これらのポイントを押さえておくだけで、旅行の満足度は何倍にもアップします。
心地よい気候の中で観光を満喫したい方も、コスパ重視で安く旅を楽しみたい方も、自分にぴったりの季節を選んで最高のバンコク旅行を計画してみてください。